方針
g(x)=mx+n とおいて恒等式を係数比較し、まず m,n,b,c を順に決める。得られた f(x) は x−a で平行移動すると u3−9u−6a という簡単な形になる。3次方程式が異なる3個の実数解をもつ条件は、極大値が正かつ極小値が負であることなので、端点で重解になる場合を除いて a の範囲を出す。
解答
(1) g(x)=mx+n とおく。f′(x)=3x2−6ax+b であるから f′(x)g(x)−6x=(3x2−6ax+b)(mx+n)−6x である。これが f(x)=x3−3ax2+bx+c に恒等的に等しいので、係数を比較する。 x3 の係数から 3m=1 より m=31 である。x2 の係数から 3n−6am=−3a であり、m=31 を代入して 3n−2a=−3a すなわち n=−3a を得る。 x の係数を比べると bm−6an−6=b である。ここに m=31,n=−3a を代入して 3b+2a2−6=b となるので b=3a2−9=3(a2−3) である。最後に定数項から c=bn=3(a2−3)(−3a)=−a(a2−3) である。したがって b=3(a2−3),c=−a(a2−3) である。
(2)
(1)よりf(x)=x3−3ax2+3(a2−3)x−a(a2−3)=(x−a)3−9x+3aである。u=x−a とおくと、x=u+a だから f(x)=u3−9u−6a となる。よって方程式 f(x)=0 は u3−9u−6a=0 と同値である。 F(u)=u3−9u−6a とおくと F′(u)=3u2−9=3(u2−3) である。したがって F(u) は u=−3 で極大、u=3 で極小をとる。極大値は F(−3)=−33+93−6a=6(3−a) であり、極小値は F(3)=33−93−6a=−6(3+a) である。
3次方程式が異なる3個の実数解をもつためには、極大値が正で、極小値が負であればよい。よって 6(3−a)>0,−6(3+a)<0 であり、これは a<3,a>−3 と同値である。端点では極値が0となり重解をもつため、「異なる3個」にはならない。したがって −3<a<3 である。
別解
解法2(三次関数と水平線の交点を見る)
方針
係数比較で b,c を決め、u=x−a と平行移動する。方程式を固定した三次曲線 y=u3−9u と水平線 y=6a の交点として判定する。
解答
(1)
g(x)=mx+n とおく。恒等式の係数比較から3mbm−6an−6=1,=b,3n−6ambn=−3a,=c.上から順に解けばm=31,n=−3a,b=3(a2−3),c=−a(a2−3).(2)
u=x−a とおくとf(x)=u3−9u−6a,したがって f(x)=0 は u3−9u=6a と同値である。h(u)=u3−9u,h′(u)=3(u2−3)より、h の極大値は 63、極小値は −63 である。よって水平線 y=6a が異なる3点で交わる条件は−63<6a<63.したがって−3<a<3である。
総評
難度7、目安時間22分。恒等式の係数比較で m,n から順に決める計算力と、得られた三次式を x−a で整理する発想が必要である。f(x)=(x−a)3−9x+3a のままでも解けるが、u=x−a にすると極値が ±3 に固定され、a は上下移動の役割だけになる。採点では、x の係数比較で −6x を落とさないこと、極大値・極小値の符号条件を厳密不等号にすること、端点が重解で除外されることが重要である。
冊子PDFで見る北大の微分の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。