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北海道大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

nを自然数とする。
数列2,1,2,1,1のように各項が1または2の有限数列(項の個数が有限である数列)を考える。
各項が1または2の有限数列のうちすべての項の和がnとなるものの個数をsnとする。
例えば,n=1のときは,1項からなる数列1のみである。したがって,s1=1となる。
n=2のときは,1項からなる数列2と2項からなる数列1,1の2つである。したがって,s2=2となる。

(1) s3を求めよ。

(2) n3のとき,snsn1sn2を用いて表せ。

(3) 3以上のすべてのnの対してsnαsn1=β(sn1αsn2)
成り立つような実数αβの組(α,β)を1組求めよ。

(4) snを求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安14

数列場合の数 漸化式の変形、特性方程式、和の計算

方針

和が n になる数列を最後の項で分類する。最後が1なら直前までの和は n1、最後が2なら直前までの和は n2 なので、フィボナッチ型の漸化式が得られる。(3)は sn=sn1+sn2 を指定の形に因数分解するため、1α=βαβ=1 を満たす組を選ぶ。最後は初期値 s1=1,s2=2 から一般項を決める。

解答

(1)
和が3となる数列は (1,1,1),(1,2),(2,1) の3つである。したがって s3=3 である。

(2) n3 とする。和が n となる数列を、最後の項が1であるものと2であるものに分ける。

最後の項が1であるなら、それを取り除いた残りの和は n1 である。したがってその個数は sn1 である。最後の項が2であるなら、それを取り除いた残りの和は n2 であり、その個数は sn2 である。この2種類は重ならないので sn=sn1+sn2(n3) である。

(3)
(2)より snαsn1=(1α)sn1+sn2 である。これが β(sn1αsn2)=βsn1αβsn2 と一致すればよい。したがって 1α=β,1=αβ を満たす α,β を取ればよい。これは α+β=1,αβ=1 と同値である。例えば α=1+52,β=152 はこの条件を満たす。

(4) α=1+52,β=152 とする。この2数は r2=r+1 の2解である。漸化式 sn=sn1+sn2 の形から sn=Aαn+Bβn とおける。初期値 s1=1,s2=2 を用いると Aα+Bβ=1,Aα2+Bβ2=2 である。これを解くと、同値に sn=αn+1βn+1αβ となる。αβ=5 だからsn=15{(1+52)n+1(152)n+1}である。

別解

解法2(与えられた一次漸化式を反復する)

方針

最後の項による分類で漸化式を作った後、(3)で得た因数分解型の漸化式をそのまま反復する。特性方程式の一般論に頼らず、α,β の2通りの関係を連立して一般項を決める。

解答

(1)

(1,1,1),(1,2),(2,1) の3通りなのでs3=3.(2)

最後の項が1なら、それを除いた部分の和は n1、最後の項が2なら和は n2 である。よってsn=sn1+sn2(n3).(3)α=1+52,β=152とすれば α+β=1, αβ=1 だから、snαsn1=β(sn1αsn2)が成り立つ。

(4)

上式を反復するとsnαsn1=βn2(s2αs1)=βn2(2α).2α=β2 よりsnαsn1=βn.α,β を入れ替えて同様にsnβsn1=αn.2式の差を取れば(αβ)sn1=αnβnだからsn=αn+1βn+1αβ=15{(1+52)n+1(152)n+1}.なお、2を k 個含む場合の並べ方を数えるとsn=k=0n/2nkCkとも表せ、一般項の独立な確認になる。

総評

難度5、目安時間14分。最後の項による分類で漸化式を作るところが本体で、以後はフィボナッチ型数列の処理である。(3)は特性方程式を知っていればすぐだが、答案では 1α=β1=αβ の係数比較を明示すると説得力がある。一般項では指数が n ではなく n+1 になる点を初期値で確認したい。数列を列挙する(1)でも、(1,2)(2,1) を別物として数えることが前提である。

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出典: 北海道大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。