Evolton

北海道大学 2019年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

rを正の実数とする。
複素数平面上に,点αを中心とする半径rの円Cがある。
ただし,Cは原点を通らないものとする。
zが円C上を動くとき,点w=1zの描く図形をCとする。

(1) Cは円であることを示せ。さらに,Cの中心と半径をαrで表せ。

(2) CCが一致するとき,Cの中心αは実軸上または虚軸上にあることを示せ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安24

複素数平面図形と方程式 式変形、円の性質、実部虚部比較

方針

Czα=r と書ける。w=1/z なので z=1/w を代入し、1αw=rw を2乗して w の円の方程式に整理する。原点を通らない条件から αr であり、2次の係数で割って中心と半径を読む。(2)は、円が一致するなら半径と中心が一致するので、δ=α2r21 または 1 の場合に分けて、α=α または α=α を導く。

解答

(1)
C の方程式は zα=r である。w=1z だから z=1w であり、これを代入すると 1wα=r である。両辺に w を掛けて 1αw=rw を得る。両辺を2乗すると (1αw)(1αw)=r2w2 であり、整理して (α2r2)w2αwαw+1=0 となる。

ここで、円 C は原点を通らないので αr である。したがって δ=α2r2 とおくと、δ0 である。方程式を δ で割るとw2αδwαδw+1δ=0である。これはwαδ2=α2δ21δ=r2δ2と書ける。よって C は円であり、その中心は αα2r2 半径は rα2r2 である。

(2) CC が一致するとする。半径が等しいので r=rα2r2 である。r>0 より α2r2=1 である。すなわち α2r2=±1 である。 α2r2=1 のとき、中心が一致する条件は α=α である。したがって α は実数であり、中心は実軸上にある。 α2r2=1 のとき、中心が一致する条件は α=α である。したがって α は純虚数であり、中心は虚軸上にある。

以上より、C=C ならば、円 C の中心 α は実軸上または虚軸上にあることが示された。

別解

解法2(実部・虚部の座標で平方完成する)

方針

α=a+bi, w=u+iv とおき、z=1/w の実部・虚部を円の方程式へ代入する。実座標の円の標準形に直して中心と半径を読み、円の一致条件を座標ごとに比較する。

解答

(1) α=a+bi,w=u+iv,ρ2=u2+v2とおく。z=1/w だからz=uivu2+v2,すなわち z=x+iy とすればx=uρ2,y=vρ2.C の方程式(xa)2+(yb)2=r2へ代入し、ρ2 を掛けて整理すると(a2+b2r2)(u2+v2)2au+2bv+1=0.δ=a2+b2r2=α2r2 とおく。原点が C 上にないので δ0 である。平方完成により(uaδ)2+(v+bδ)2=r2δ2.よって中心と半径はそれぞれαα2r2,rα2r2.(2)

C=C なら半径の一致から δ=1 である。

δ=1 のとき、中心(a,b)=(aδ,bδ)の比較から b=0 となり、α は実軸上にある。

δ=1 のときは同じ比較から a=0 となり、α は虚軸上にある。したがって題意が示された。

総評

難度7、目安時間24分。反転 w=1/z による円の像を、複素数の方程式で処理する問題である。1αw=rw まで変形できれば、あとは円の標準形に平方完成するだけだが、中心が α ではなく α を含む点に注意する。原点を通らない条件は αr として、2次の係数が0でないことを保証している。(2)では半径一致から α2r2=±1 に分けるのが自然で、中心一致から実軸・虚軸の結論が出る。

冊子PDFで見る北大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2019年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。