方針
まず an=2 が一度でも起こると前の項も 2 になることを利用し,初項に戻して矛盾を出す。次に与えられた bn への変換で一次の等比数列 bn+1=−2bn を作り,そこから an を戻す。最後は (−2)n の符号と大きさで不等式を判定する。
解答
(問1)
もしある自然数 n について an+1=2 ならばan2+1=2より an=2 である。したがって,ある項が 2 ならば前の項も 2 であり,これを繰り返すと a1=2 となる。しかし a1=1 であるから矛盾する。よってすべての自然数 n について an=2 である。
(問2)
(問1)より bn は定義される。漸化式からan+1−2=an2−1=−anan−2であるからbn+1=an+1−23+1=−an−23an+1となる。また bn−1=an−23 よりan=2+bn−13=bn−12bn+1である。これを代入するとbn+1=−(2bn+1)+1=−2bnを得る。さらにb1=1−23+1=−2であるからbn=(−2)nである。
(問3)bn−1=an−23 よりan=2+bn−13=2+(−2)n−13=(−2)n−12(−2)n+1である。
(問4)
(問3)よりan=2+(−2)n−13である。n が奇数のとき (−2)n−1<0 であるから an<2 となり,条件を満たさない。n が偶数のときは2+2n−13>25であり,これは6>2n−1すなわち 2n<7 と同値である。偶数の自然数でこれを満たすのは n=2 のみである。
別解
解法2
方針
漸化式の二つの不動点 2,−1 を使い、比 (an−2)/(an+1) を置く。この比は公比 −1/2 の等比数列になり、与えられた bn はその逆数として直ちに求まる。
解答
漸化式の右辺を T(x)=(x+2)/x と見ると、T(x)=x の解は 2,−1 である。そこでun=an+1an−2とおく。実際、un+1=an+1+1an+1−2=2(an+1)/an−(an−2)/an=−21un.また u1=−1/2 だからun=(−21)n.(1)(問1)
(1)の右辺は0でない。したがって an−2=0、すなわちすべての自然数 n で an=2 である。
(問2)
un=(an−2)/(an+1) からan−2=1−un3unである。よってbn=an−23+1=un1−un+1=un1=(−2)n.(問3)
(1)を an について解けばan=1−(−1/2)n2+(−1/2)n=(−2)n−12(−2)n+1.(問4)
n が奇数なら an<2 なので不適である。n が偶数ならan=2+2n−13>25⟺2n<7.これを満たす偶数の自然数は n=2 だけである。
総評
難度4,計算量4。想定時間は12分程度。指定された bn を直接計算する方法と、不動点 2,−1 を基準にした比を使う方法の二通りを示した。前者は誘導に忠実で、後者は分数一次型の漸化式を見通しよく処理できる。採点上は an=2 を先に保証し、一般項の分母が0でないこと、最後の不等式で奇偶を分けることが重要である。
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出典: 熊本大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。