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熊本大学 2019年度 前期文系数学 第2問

1個のさいころを投げて,出た目の数をaとする.bb={a2(aが偶数のとき),a+32(aが奇数のとき)と定める.以下の問いに答えよ.

(問1) a>bとなる確率を求めよ.

(問2)sinπ5>0.5,cosπ5<0.9を示せ.

(問3)S=cosπa+sinπbとおく.a>bであるとき,S<1.7となる条件付き確率を求めよ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安12

確率三角関数 条件付き確率、場合分け、三角比の利用

方針

さいころの各目について ba>b の成否を表にする。三角関数の不等式は単位円上の単調性と cos(π/5)=(1+5)/4 を用いる。条件付き確率では a>b となる4通りに絞り、S<1.7 を各場合で判定する。

解答

(問1)
a=1,2,3,4,5,6 に対する b は順に2,1,3,2,4,3である。したがって a>b となるのは a=2,4,5,6 の4通りであるから、求める確率は46=23である。

(問2)
0<π/6<π/5<π/2 であり、この範囲で sinx は増加するからsinπ5>sinπ6=12である。またcosπ5=1+54であり、5<2.6 よりcosπ5<3.64=0.9である。

(問3)
(問1)より、a>b のもとで起こり得る (a,b)(2,1), (4,2), (5,4), (6,3)の4通りであり、いずれも同じ確率で起こる。それぞれの S0,1+22,cosπ5+22,3である。ここで1+22>1.7,cosπ5+22<0.9+0.8=1.7,3>1.7である。したがって S<1.7 となるのは (2,1)(5,4) の2通りであり、求める条件付き確率は24=12である。

別解

解法2

方針

三角関数の値を小数化せず、θ=π/5 に対する三倍角と二倍角の関係から cosθ を導く。条件 a>b の4事象は厳密な平方比較で S<17/10 を判定する。

解答

(問1)
各目に対する b と条件の成否を整理するとa123456b213243a>b××である。したがって確率は 2/3 である。

(問2)
π/6<π/5<π/2 と、この区間での正弦の増加性からsinπ5>sinπ6=12.次に θ=π/5c=cosθ とおく。3θ=π2θ だから4c33c=cos3θ=cos2θ=(2c21).よって(c+1)(4c22c1)=0.c>0 よりcosπ5=c=1+54.5<(13/5)2 なので 5<13/5 であり、cosπ5<1+13/54=910.(問3)
条件 a>b のもとでの (a,b)(2,1),(4,2),(5,4),(6,3)の4通りで、条件付きでは同確率である。それぞれの S0,1+22,cosπ5+22,3.ここで 2>7/52<8/53>17/10 は両辺を2乗して確かめられる。したがって1+22>1710,cosπ5+22<910+45=1710.よって条件を満たすのは (2,1),(5,4) の2通りで、求める条件付き確率は24=12である。

総評

難度4,計算量4。想定時間は12分程度。条件付き確率の母集団を a>b の4通りに絞ることが中心である。三角関数は問2の評価を問3にそのまま流用できるよう、大小比較の根拠を残した。とくに cos(π/5) の公式を無断で使わず、三倍角・二倍角から導く別解まで確認しておくと答案の自立性が高い。

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出典: 熊本大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。