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熊本大学 2022年度 前期文系数学 第3問

数列{an}は漸化式
an+2=an+1+an2n=1,2,3,
を満たしているとする.a1<a2のとき,以下の問いに答えよ.
(問1) n=3,4,5,に対して
a1<an<a2
が成り立つことを示せ.
(問2) n=1,2,3,に対して
bn=a2n1,cn=a2n
として数列{bn},{cn}を定めると,bn<bn+1<cn+1<cn
n=1,2,3,に対して成り立つことを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安14

数列論証・証明 漸化式の変形、階差数列、数学的帰納法不等式評価

方針

隣接差 dn=an+1an を導入すると dn+1=dn/2 となる。差の符号と大きさが交互に減少することから,(問1)の範囲評価と,奇数番目・偶数番目の単調性および大小関係を示す。

解答

(問1)dn=an+1anとおく。漸化式よりdn+1=an+2an+1=an+1+an2an+1=12dnである。d1=a2a1>0 であるからdn=(12)n1d1である。したがってan=a1+d1{112+122+(12)n2}である。n3 のとき,この交代和は 0 より大きく 1 より小さい。よってa1<an<a1+d1=a2である。

(問2)
bn=a2n1cn=a2n とする。上で求めた dn を用いるとbn+1bn=a2n+1a2n1=d2n1+d2n=d124n1>0,cn+1cn=a2n+2a2n=d2n+d2n+1=d14n<0.またcn+1bn+1=a2n+2a2n+1=d2n+1=d14n>0である。さらに bn<bn+1 は上で示した。したがってbn<bn+1<cn+1<cnがすべての自然数 n について成り立つ。

別解

解法2(特性方程式から一般項を求める方法)

方針

2階線形漸化式の特性方程式を解き、一般項を定数項と公比 1/2 の項に分ける。
奇数項と偶数項の式を明示すれば、4つの大小関係を直接比較できる。

解答

d=a2a1>0 とおく。特性方程式2r2r1=0の解は r=1,1/2 だからan=A+B(12)n1.初期条件からA=a1+2a23=a1+2d3,B=2d3.よってan=a1+2d32d3(12)n1.(問1)
n3 では (1/2)n11/4 なのでa1+d2ana1+5d6.d>0 よりa1<an<a1+d=a2.(問2)
一般項からbn=A2d34n1,cn=A+d34n1.したがってbn+1bn=d24n1>0,cncn+1=d4n>0,またcn+1bn+1=d4n>0.以上をつなげればbn<bn+1<cn+1<cnがすべての自然数 n で成り立つ。

総評

難度5,計算量4。想定時間は14分程度。元の漸化式のまま扱うより,隣接差が公比 1/2 の等比数列になることを使うのが本筋である。(問1)では交代和の範囲,(問2)では奇数番目と偶数番目の差を明示することが重要である。位置づけは差がつく標準問題であり,方針を早く固めて計算ミスなく完答したい。 熊本大学2022年度資料20頁(数学①②③解答原稿12頁・医系問題解答8頁)と独立本文を照合し、結論・設問対応・計算過程を再確認した。

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出典: 熊本大学 2022年度 前期数学 教育,医(看護学専攻)学部 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。