方針
まず,分子側に小さい数,分母側に大きい数があるなら,その2数の役割を入れ替えると和が増えることを示し,最大では分子が,分母がであることを導く。次に,分子が大きいものほど分母が小さいものと組むと和が増えることを交換で示す。これによりを得て,最後は調和和との比較で極限を求める。
解答
(問1)
のとき, を用いる。最大にするには,大きい数を分子,小さい数を分母にし,さらに大きい分子を小さい分母と組にすればよい。したがってである。
(問2)
次の順列を考える。このときである。
これが最大であることを示す。ある順列で,分子側にある数 と分母側にある数 が を満たすとする。 が分子である項を , が分母である項を とする。 と の位置を入れ替えると,この2項はになる。その増加分はである。よって最大のとき,分子側の数はすべて分母側の数より大きい。したがって分母側は ,分子側は でなければならない。
次に,分子 が分母 とそれぞれ組になっているとする。この2組を入れ替えるとである。したがって最大では,大きい分子ほど小さい分母と組む。よって上に挙げた順列が を与え,である。
(問3) とおく。(問2)よりである。ここで は自然対数である。
のグラフと面積を比較するとであるからである。したがってである。よってである。
別解
解法2
方針
分子集合と分母集合の分離,および組合せの順序を,隣接交換による並べ替え不等式として整理する。最大値を調和数で表した後,積分比較で極限を挟む。
解答
(問1)
分子には大きい2数,分母には小さい2数を置き,大きい分子を小さい分母と組ませるのでである。
(問2)
最大となる例としてをとる。
実際,分子側のと分母側のがなら,両者を交換したときの増分はである。よって最大時の分子集合はである。
さらにに対してだから,大きい分子と小さい分母を組ませるのが最大である。したがってである。
(問3)
積分比較よりである。したがってである。
総評
難度8,計算量6。想定時間は25分程度。最大化の本質は交換による不等式であり,分子集合を大きい数,分母集合を小さい数に分ける段階と,その後の組み合わせの段階を分けて証明する必要がある。(問3)は の式が出れば,調和和と自然対数の標準的な比較で処理できる。位置づけは差がつく難問であり,前半を確保したうえで時間次第では後半を見送り候補にする。