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熊本大学 2020年度 前期数学③ 第3問

次の問いに答えよ。

(1) 自然数 x に対し、x2 を5で割った余りは 0,1,4 のいずれかであることを示せ。

(2) x2+5y2=2z2 を満たす自然数 x,y,z の組は存在しないことを示せ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

整数論証・証明 合同式、剰余分類、無限降下法、背理法

方針

(1) で平方剰余を確定する。(2) では方程式を5で見て x,z、続いて y も5の倍数になることを示し、同じ議論を無限に反復できる矛盾を導く。

解答

(1)

x を5で割った余りを 0,1,2,3,4 とすると、その平方の余りは順に0,1,4,4,1である。したがってx2 の余りは 0,1,4 のいずれかである。

(2)

自然数解が存在すると仮定する。方程式を5を法として見るとx22z2(mod5).(1) より、左辺の候補は 0,1,4、右辺の候補は 0,2,3 である。共通するのは0だけなので5x,5z.x=5x1,z=5z1 と置くと5x12+y2=10z12となり、y20(mod5) だから 5y である。よってx=5x1,y=5y1,z=5z1.元の式を25で割るとx12+5y12=2z12となり、(x1,y1,z1) も自然数解である。この操作を繰り返すと x,y,z は任意の 5m で割り切れることになり、正の自然数であることに反する。したがって自然数解は存在しない.

別解

解法2(最小の解を選ぶ)

方針

平方剰余の結論を使い、自然数解があれば3成分がすべて5の倍数になることを示す。z が最小の解を選ぶと、5で割った新しい解の第3成分がさらに小さくなり矛盾する。

解答

(1) 020,(±1)21,(±2)24(mod5)だから、平方剰余は 0,1,4 だけである。

(2)

自然数解のうち z が最小のものを取る。x22z2(mod5) と平方剰余を比較すると、x,z は5の倍数である。x=5x1,z=5z1 を代入した式5x12+y2=10z12から y も5の倍数である。そこで y=5y1 とすればx12+5y12=2z12.しかし z1=z/5<z であり、(x1,y1,z1) はより小さい自然数解となる。これは z の最小性に反するので、自然数解は存在しない。

総評

難度5、目安時間15分。数学②第1問と同じ方程式だが、医学科用の数学③では『全変数が5の倍数』を独立小問にせず、(2) の証明中に組み込む構成である。平方剰余の比較から x,z を先に5の倍数とし、代入後に y を処理する順序を守る。

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出典: 熊本大学 2020年度 前期 数学③(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。