方針
整数 ごとに許される正整数 の個数を評価して(1)を得る。(2) は評価を で割ってリーマン和へ移し、(3) は の狭義凹性による台形公式の向きを使う。
解答
(1)
()と固定する。与えられた不等式はと同値である。正の実数 に対し、 を満たす整数 の個数を とすればここでと置き、 について足し合わせるとすなわち所要の不等式を得る。
(2)
(1) を で割る。上下の評価の差はまたは の におけるリーマン和である。したがってここで は自然対数である。
(3) だから、 は で狭義凹である。したがって各小区間でグラフは両端を結ぶ弦より上にある。
小区間ごとの台形の面積を足すとただし を使った。一方、(1) の上側評価から2式を合わせてを得る。
別解
解法2(天井関数で正確に数え、弦の積分を足す)
方針
各縦列の格子点数を と正確に表し、そこから(1)を導く。(3) は凹関数の定義に基づく弦の不等式を各小区間で積分し、端点補正 を直接取り出す。
解答
(1)
と置く。 を満たす正整数の個数はである。任意の実数 に対しだから、 に代入して(1)を得る。
(2)
(1) の両端を で割ると、誤差は高々 で0へ収束する。よって(3)
は狭義凹である。 とし、 に対してこの不等式を として小区間上で積分すると について足せばさらに(1)より はこの和より真に小さいので、所要のが従う。
総評
難度8、目安時間35分。(1) は各 における正整数 の個数を数える問題で、上端が整数のときはその値を含まないことが の理由である。(2) では と自然対数 を区別する。(3) の核心は が凹なので『積分値が台形和より大きい』ことと、端点 がちょうど の補正を生む点にある。積分・総和はすべて別行で組み、紙面上でも添字と分数が潰れないようにした。