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熊本大学 2020年度 前期数学③ 第2問

複素数 α,β に対し、複素数平面上の点O(0),A(α),B(β),C(α2),D(αβ)を考える。3点 O,A,B は三角形をなすとする。また、複素数 z の虚部を Im(z) と表す。次の問いに答えよ。

(1) OAB の面積を S1OCD の面積を S2 とするとき、S2/S1 を求めよ。

(2) S1=12Im(αβ) であることを示せ。

(3) 実数 a,b に対して z=a+bi とする。1a2, 1b3 のとき、3点 O(0),P(z),Q(1/z) を頂点とする三角形の面積の最大値と最小値を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

複素数平面関数 回転・拡大、面積比、実部虚部比較、微分による最大最小

方針

(1) は全点へ α を掛ける相似変換を考える。(2) は α=p+qi,β=r+si と座標化する。(3) は面積を ab/(a2+b2) に直し、比 b/a の1変数関数にする。

解答

(1)

複素数平面で全点に α を掛けると、00,αα2,βαβ.したがって OABOCD に移る。この変換は長さを α 倍するので、面積を α2 倍する。よってS2S1=α2.(2)α=p+qi, β=r+si とおく。座標平面の三角形の面積公式からS1=12psqr.一方、αβ=(pqi)(r+si)=pr+qs+(psqr)iだからS1=12Im(αβ).(3)

(2)α=z, β=1/z に用いると、面積 SS=12Im(zz).z=a+bi よりzz=(abi)2a2+b2なのでS=aba2+b2.r=b/a とおけば 1/2r3 で、S=r1+r2,S(r)=1r2(1+r2)2.したがって r=1 で最大となる。また両端を比較するとS(12)=25,S(3)=310.よってmaxS=12,minS=310.最大値は例えば a=b=1、最小値は (a,b)=(1,3) で実現する。

別解

解法2(行列式で面積を直接計算する)

方針

複素数を平面ベクトルとみなし、2本のベクトルの行列式で面積を表す。(1) は乗法写像の行列式、(2)(3) は座標をそのまま代入して処理する。

解答

(1)

α=u+vi とすると、写像 wαw の実行列は(uvvu)であり、その行列式はu2+v2=α2.面積は行列式の絶対値倍になるので S2/S1=α2 である。

(2)

α=p+qi,β=r+si に対応するベクトルは (p,q),(r,s) である。よってS1=12det(prqs)=12psqr.また psqr=Im(αβ) だから、所要の式を得る。

(3) P=(a,b),Q=(aa2+b2,ba2+b2).したがってS=12a(ba2+b2)b(aa2+b2)=aba2+b2.ここで相加相乗平均からa2+b22abなので S1/2 であり、a=b のとき等号が成立する。一方 r=b/a[1/2,3] とすると S=r/(1+r2) で、r=1 から離れるほど小さくなる。端点比較により最小値は r=3 のときの 3/10 である。

総評

難度6、目安時間25分。C=α2=ααD=αβ なので、(1) の2三角形は同じ複素数を掛ける変換で結ばれる。(3) では a,b を別々に微分するより、面積が比 r=b/a だけで決まることを見抜くと簡潔である。最大・最小を与える点が許された長方形内に実在することまで確認する。

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出典: 熊本大学 2020年度 前期 数学②・数学③共通(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。