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熊本大学 2025年度 前期数学③ 第4問

実数p>1と正の整数nに対して
Sn=k=1nkp
とおく。以下の問いに答えよ。
(問1) limnSnnp+1を求めよ。
(問2) 0α<βとする。点(α,αp)におけるy=xpの接線の方程式を求めよ。また,不等式
12(βα){2αp+p(βα)αp1}αβxpdx12(βα)(βp+αp)
を証明せよ。
(問3) (問1)で求めた値をcとおく。limnSncnp+1npを求めよ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安35

積分数列 定積分評価、はさみうち、不等式評価

方針

(問1)は積分比較で主項を決める。(問2)では xp の導関数が増加することから,接線が曲線の下,両端を結ぶ弦が曲線の上にあることを示して積分する。(問3)はその二つの評価を単位区間ごとに足し,差 Snnp+1p+1np/2 へはさむ。

解答

(問1)
xpx0で増加するから0nxpdxSn1n+1xpdxである。したがって1p+1Snnp+1(n+1)p+11(p+1)np+1であり、はさみうちによりlimnSnnp+1=1p+1である。

(問2)
y=xpx=αにおける接線はy=αp+pαp1(xα)である。αxβϕ(x)=xpαppαp1(xα)とおくとϕ(x)=p(xp1αp1)0,ϕ(α)=0である。よって接線は曲線の下側にある。これを積分して12(βα){2αp+p(βα)αp1}αβxpdxを得る。

また、y=xpの導関数は増加するので、曲線は区間[α,β]で弦の下側にある。すなわちxpβxβααp+xαβαβpである。これを積分してαβxpdx12(βα)(αp+βp)を得る。

(問3)
(問1)よりc=1/(p+1)である。まず(問2)の右側の不等式を各区間[k1,k]に用いて足すとcnp+1=0nxpdxSn12npである。したがってSncnp+1np12である。

次に(問2)の左側の不等式を各区間[j,j+1]に用いるとjj+1xpdxjp+p2jp1である。これをj=1,2,,n1について足すとcnp+1Sn1+p2j=1n1jp1であるからSncnp+1npp2j=1n1jp1である。積分比較によりlimn1npj=1n1jp1=1pである。したがって,Rn=(Sncnp+1)/np とおけばlim supnRn1p21p=12.一方,先の評価からすべての nRn1/2 である。よってlimnSncnp+1np=12である。

【接線・弦による評価の図】

凸関数では「接線 曲線 弦」である。この向きを単位区間ごとに保ったまま加えることが (問3) の核心である。

別解

別解(問1:区分求積法)

方針

Sn/np+1 をそのまま [0,1] 上のリーマン和へ変形する。積分比較とは独立に主項 1/(p+1) を一行で確認できる。

解答

(問1)Snnp+1=1nk=1n(kn)p.これは連続関数 xp の区間 [0,1] における右端の区分求積であるからlimnSnnp+1=01xpdx=1p+1.

総評

【公式解答例との対応】公式の区分求積と接線・弦評価に照合し,c=1/(p+1),最後の極限 1/2 の一致を確認した。標準解法は高校範囲の積分比較だけで完結し,問1には区分求積の別解も付した。

難度8,計算量7,想定時間35分。問3では有限の n に対して上側が直ちに 1/2 以下になるのではない。下側評価から Rn1/2,上側評価から lim supRn1/2 を得てはさむ,という論理を明示した。

【独立検算】p=2,3,3/2 で数値計算し,(Snnp+1/(p+1))/np1/2 を確認した。接線・弦の向きは p>1 による凸性で保証され,α=0 でも αp1=0 なので式は有効である。

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出典: 熊本大学 令和7年度一般選抜(前期日程)数学③(公式問題・解答例)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。