方針
sec2x の単調増加性を使い、a≦x≦b の回転部分を高さ sec2a と sec2b の円環柱ではさむ。得た不等式を差商に変え、最後は V′ を積分する。
解答
(1)
0≦x<π/2 では 1/cos2x は単調に増加する。V(b)−V(a) は、半径 a と b の間の部分を回転してできる体積である。この部分は、高さ 1/cos2a の円環柱を含み、高さ 1/cos2b の円環柱に含まれる。
円環の底面積は π(b2−a2) だから、π(b2−a2)cos2a1≦V(b)−V(a)≦π(b2−a2)cos2b1.(2)
h>0 とし、(1) に a=t, b=t+h を代入して h で割るとπ(2t+h)cos2t1≦hV(t+h)−V(t)≦π(2t+h)cos2(t+h)1.h→+0 とすれば、はさみうちにより右微分係数は2πtcos2t1.左側については (1) に a=t+h, b=t(h<0)を用いれば同じ極限を得る。したがってV′(t)=2πtcos2t1.(3)
V(0)=0 だからV(3π)=2π∫0π/3tcos2t1dt.部分積分により∫tcos2t1dt=ttant+log(cost).よってV(3π)=2π[ttant+log(cost)]0π/3=323π2−2πlog2.
別解
解法2(円筒殻の積分式から統一的に示す)
方針
半径 x、厚さ dx、高さ sec2x の円筒殻を積み重ね、V(t)=2π∫0txsec2xdxを得る。この式から(1)の評価、(2)の微分、(3)の値を順に導く。
解答
半径 x、高さ 1/cos2x の薄い円筒殻の体積は2πxcos2x1dxだから、V(t)=2π∫0txcos2x1dx.(1)
a≦x≦b ではcos2a1≦cos2x1≦cos2b1.正の 2πx を掛けて [a,b] で積分するとcos2a1∫ab2πxdx≦V(b)−V(a)≦cos2b1∫ab2πxdx.ここで∫ab2πxdx=π(b2−a2)より、所要の不等式を得る。
(2)
積分で定めた関数の微分によりV′(t)=2πtcos2t1.これは(1)の差商をはさみうちした結果と一致する。
(3) V(3π)=2π∫0π/3tsec2tdt=2π[ttant+log(cost)]0π/3=323π2−2πlog2.
総評
難度7、目安時間25分。(1) の π(b2−a2) は円の面積ではなく、半径 a,b の間の円環の面積である。(2) は右微分だけで終えず左側も同値に確認する。(3) の部分積分では∫tantdt=−log(cost)なので、結果が ttant+log(cost) となる符号に注意する。積分はすべて独立した別行立てで、小さいインライン積分を避けた。
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出典: 熊本大学 2020年度 前期 数学②(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。