Evolton

京都大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

正の数aを用いた係数をもつ方程式a{x(a2+a2)}+y+2=0の定める直線が,
x軸,直線y=12xと交わる点を,それぞれ,ABとする.
このとき,ABが次の2条件をみたすような正の数aの範囲を求めよ.

(1) Ax軸の正の部分にある.

(2) 原点Oと,ABの3点は鈍角三角形を作る.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安23

図形と方程式 座標設定、範囲評価、場合分け

方針

直線と x 軸の交点 A=(s,0)、直線 y=x2 との交点 B=(t,t2)a で表す。条件 (1) からまず a>2 が出る。この範囲では 0<t<s となるので、OA の角は鈍角にならず、鈍角になり得るのは B の角だけである。最後に BOBA<0 を計算して a<2 を得る。

解答

与えられた直線は a{x(a2+a2)}+y+2=0 であるから y=ax+a(a2+a2)2 である。ここで a(a2+a2)2=a3+a22a2=(a+1)(a22) である。

(1) まず x 軸との交点を A=(s,0) とする。y=0 を代入して 0=as+(a+1)(a22) より s=(a+1)(a22)a である。a>0 なので、Ax 軸の正の部分にある条件は (a+1)(a22)>0 すなわち a>2 である。

(2) 次に、直線 y=x2 との交点を B=(t,t2) とおく。これを与えられた直線に代入すると ata(a2+a2)+t2+2=0 だから (a+12)t=(a+1)(a22) であり、t=2(a+1)(a22)2a+1 である。a>2 のもとでは s>0,t>0 であり、さらに ts=2a2a+1<1 だから 0<t<s である。

三角形 OAB のどの角が鈍角になり得るかを内積で調べる。まずOA=(s,0),OB=(t,t2)なので OAOB=st>0 であり、角 O は鈍角ではない。またAO=(s,0),AB=(ts,t2)だから AOAB=s(st)>0 であり、角 A も鈍角ではない。

したがって鈍角三角形になるには、角 B が鈍角であればよい。これは BOBA<0 であることと同値である。ここでBO=(t,t2),BA=(st,t2)だからBOBA=t(st)+t24=t(54ts)である。t>0 より、角 B が鈍角である条件は s>54t である。ts=2a2a+1 を用いると 1>542a2a+1 であり、これは 4a+2>5a すなわち a<2 を意味する。

以上より、求める a の範囲は 2<a<2 である。

別解

解法2:3辺の長さで鈍角を判定する

方針

交点を A=(s,0),B=(t,t/2) と表し、条件(1)から a>2 を得る。三辺の長さの2乗を比較し、最長辺 OA の対角である角 B が鈍角となる条件を求める。

解答

(1)
与えられた直線を整理するとy=ax+(a+1)(a22)である。x 軸との交点を A=(s,0) とすればs=(a+1)(a22)a.a>0 だから s>0 となる条件は a>2 である。

(2)
y=x/2 との交点を B=(t,t/2) とするとt=2(a+1)(a22)2a+1,ts=2a2a+1.したがって a>2 のもとで 0<t<s である。三辺の長さの2乗はOA2=s2,OB2=54t2,AB2=(st)2+14t2.0<t<s より角 O,A は鋭角なので、鈍角になり得るのは角 B だけである。余弦定理より角 B が鈍角である条件はOA2>OB2+AB2.上の式を代入するとs2>54t2+(st)2+14t2であり、整理してs>54tを得る。よって1>54ts=542a2a+1であり、これは a<2 と同値である。以上から2<a<2である。

総評

難度7、計算量7、目安時間23分。交点の座標を出した後、内積と三辺の長さの2通りで鈍角条件を確認した。条件(1)から a>2 を先に固定し、0<t<s により鈍角になり得る頂点を絞ると場合分けが安定する。

冊子PDFで見る京大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。