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京都大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

半径1,12rの同心円の間に半径rの円がn個,互いに交わらずに入っているという状態を考える.
n (2)を固定した上で,rを変化させる.

(1) r0<rsinπn1+sinπn
の範囲になければならないことを示せ.

(2) これらn+2個の円の面積の総和が最小となるrの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安23

図形と方程式三角関数微分 円の性質不等式評価微分による最大最小

方針

半径 r の各小円は、外側の半径 1 の円と内側の半径 12r の円の間にちょうど収まるので、中心は共通中心から距離 1r の円周上にある。n 個の中心のうち隣り合う中心角が 2π/n 以下の組を取り、中心間距離が少なくとも 2r 必要であることから上限を出す。面積和は r の2次式なので、頂点 r=2/(n+4) が制約範囲内にあることを確認して最小値の位置を決める。

解答

(1)
半径 r の円が半径 1 の円の内側に入り、同時に半径 12r の円の外側に入るには、その中心は共通中心から距離 1r の円周上になければならない。実際、外側の円に内接すると中心距離は 1r であり、このとき内側の円との距離も (1r)(12r)=r となる。

この円周上に n 個の中心を置く。中心角を一周分足すと 2π なので、隣り合う中心の中に、中心角が 2π/n 以下である組が少なくとも一つある。その2点間の距離は高々 2(1r)sinπn である。

小円どうしが交わらないためには、どの2中心間距離も少なくとも 2r でなければならない。したがって 2r2(1r)sinπn である。これを解くと 0<rsinπn1+sinπn を得る。

(2) n+2 個の円の面積の総和を S(r) とする。半径は 112r、そして rn 個であるから S(r)π=1+(12r)2+nr2 である。整理すると S(r)π=(n+4)r24r+2 であり、これは r=2n+4 で最小となる2次式である。

あとはこの値が (1) の範囲に入ることを確認する。0<π/nπ/2 であり、この範囲では sinπn2n が成り立つ。よって (n+2)sinπn(n+2)2n=2+4n>2 である。一方、2n+4s1+s(s>0)2(n+2)s と同値である。ここで s=sinπn とすれば、上の不等式により確かに成り立つ。

したがって2次式の頂点は許される範囲内にあり、面積の総和が最小となるのは r=2n+4 のときである。

総評

難度6、計算量5。配置条件を中心の円周上の問題に変換し、そのあと2次関数の最小化に移る問題である。想定時間は23分程度。(1) では、n 個の中心すべての間隔を直接扱うのではなく、隣り合う中心角の最小が 2π/n 以下であることを使うのが要点である。(2) では頂点を出すだけでなく、その r が (1) の制約範囲内にあることを確認しないと答案が完結しない。

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出典: 京都大学 1990年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。