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京都大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

定数apqに対して,次のようにxnynの列を作る.(x1y1)=(pq),(xn+1yn+1)=(1a1a1+a1+a)(xnyn)(1) x2y2x3y3を求めよ.

(2) 12<a<32のとき,
limnxnlimnynを求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安18

行列数列 漸化式の変形、計算整理、極限計算

方針

まず与えられた式を成分ごとの漸化式に直し、xn+2yn+2xn,yn で表す。直接代入すると xn+2=2(1a)xnyn+2=2(1a)yn となり、2回ごとに同じ倍率がかかることが分かる。(1)は n=1 から2回分を計算し、(2)は 2(1a)<1 により偶数番・奇数番の両方が0へ近づくことを示す。

解答

与えられた関係を成分で書くと xn+1=(1a)xn(1+a)yn および yn+1=(a1)xn+(a1)yn である。

(1) x1=p,y1=q だから x2=(1a)p(1+a)q であり、y2=(a1)p+(a1)q=(a1)(p+q) である。

次に、一般に2回進めた形を求めておく。まずxn+2=(1a)xn+1(1+a)yn+1=(1a){(1a)xn(1+a)yn}(1+a){(a1)xn+(a1)yn}={(1a)2+(1a)(1+a)}xn=2(1a)xn.同様にyn+2=(a1)xn+1+(a1)yn+1=(a1){(1a)xn(1+a)yn}+(a1){(a1)xn+(a1)yn}={(a1)2+(a1)2}xn+{(a1)(1+a)+(a1)2}yn=2(1a)yn.したがって x3=2(1a)x1=2(1a)p,y3=2(1a)y1=2(1a)q である。

(2)
上で得た関係より xn+2=rxn,yn+2=ryn,r=2(1a) である。12<a<32 のとき 1<2(1a)<1 すなわち r<1 である。

したがって奇数番については x2k+1=rkp,y2k+1=rkq であり、k でどちらも0に近づく。また偶数番についても x2k=rk1x2,y2k=rk1y2 であり、これも0に近づく。よって limnxn=0,limnyn=0 である。

別解

解法2:係数行列を2乗する

方針

原問題の係数行列を M とおき、直接 M2 を計算する。M2=2(1a)I から奇数番と偶数番の一般形を一度に得る。

解答

係数行列をM=(1a1aa1a1)とおく。

(1)
定義から(x2y2)=((1a)p(1+a)q(a1)(p+q)).また行列を直接掛けるとM2=(2(1a)002(1a)).したがって(x3y3)=M2(pq)=(2(1a)p2(1a)q).(2)
r=2(1a) とおけば M2=rI である。したがって(x2k+1y2k+1)=rk(pq),(x2ky2k)=rk1M(pq).12<a<32のとき r<1 だから、奇数番・偶数番のどちらも各成分が0へ近づく。よってlimnxn=0,limnyn=0である。

総評

難度6、計算量6、目安時間18分。成分を2回進める方法と、原問題が明示する係数行列の2乗で xn+2=2(1a)xn, yn+2=2(1a)yn を照合した。奇数番だけでなく偶数番の極限も示す。行列を用いたのは原問題が行列を扱う本問だけである。

冊子PDFで見る京大の行列の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。