方針
各人が持つ赤札の枚数を で表す。赤札は全部で3枚、各人は常に2枚持つので、起こりうる赤札枚数は と の並べ替えだけである。(2)では からは8通りの渡し方を数え、その他の状態では赤札2枚の人と0枚の人の行動が決まり、赤札1枚の人だけが確率 で分岐することを使う。(3)では、非初期状態のどれからも へ戻る確率が であるため、 に集約する。
解答
(1)
状態を、 が持っている赤札の枚数の三つ組 で表す。赤札は全部で3枚であり、各人はいつも2枚の札を持っているので、各成分は のいずれかで、和は3である。したがって可能な形は または の並べ替えである。
最初の状態を とする。残りの6状態を、移動の向きに沿って と名づける。これで起こりうる状態はすべてである。
(2)
まず から考える。この状態では3人とも赤札1枚、白札1枚を持っているので、それぞれ赤を渡すか白を渡すかが確率 ずつである。3人の選び方は全部で 通りである。
3人が全員赤を渡す場合、または全員白を渡す場合には、各人が受け取る赤札数も失う赤札数も同じなので にとどまる。この2通りの確率は である。残り6通りは、 のいずれかに1通りずつ移る。したがって である。
次に からの移動を考える。これらの状態では、赤札を2枚持つ人は必ず赤札を渡し、赤札を0枚持つ人は必ず白札を渡す。赤札を1枚持つ人だけが、赤札を渡すか白札を渡すかで2通りに分かれる。したがって各状態からの分岐は確率 ずつである。
例えば では、 は必ず赤を渡し、 は必ず白を渡す。 が赤を渡せば全員が赤1枚ずつになり へ移る。 が白を渡せば へ移る。よって である。同様にさらにであり、ここに書いたもの以外の はすべて0である。
(3)
最初の状態から 回移動した後に にいる確率を とする。最初は にいるので である。
(2) より、現在 にいるとき、次に にいる確率は である。一方、現在 以外のどの状態にいても、次に に移る確率は である。したがって である。整理すると である。
この漸化式の一定値を とすると だから である。よって である。 より だから である。
別解
解法2:7状態を二つの群へまとめる
方針
全員が赤白1枚ずつの状態を 、それ以外の6状態をまとめて とする。六つの状態の対称性を使って二群間の確率だけを数え、定常値との差を等比数列にする。
解答
(1)
各人の赤札枚数で状態を表すと、可能なのはと、 の6個の並べ替えだけである。これらを順に と名づければよい。
(2)
では3人がそれぞれ赤か白を確率 で渡す。8通り中、全員赤または全員白の2通りで に戻るから残る6通りは へ1通りずつ移るので 以外では、赤2枚の人と赤0枚の人が渡す色は決まり、赤1枚の人だけが二分する。その一方は へ、他方は次の非初期状態へ移るので、各行の非零確率は である。
(3)
を群 、残る6状態を群 とまとめる。上の結果から 回後に にいる確率を とすると定常値 との差を とおけばしたがって
総評
難度7、計算量7、目安時間25分。7状態を全て列挙する方法と、対称な6状態を一群にまとめる方法で遷移を確認した。非初期状態のどこからも へ戻る確率が であることが一次漸化式への集約点である。確率母関数や行列は用いていない。