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京都大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

空間において,平面ax+y+z+a2=0(aは定数)を考える.

(1) この平面上の点のうち原点に一番近いものの座標を求めよ.

(2) 原点を中心とする半径3の球体がこの平面で分けられる二つの部分のうち,体積の大きくない方の体積をV(a)とする.
aをいろいろ変えたとき,V(a)が最小になるaと,そのときのV(a)の値を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

ベクトル積分図形と方程式 座標設定体積計算微分による最大最小

方針

(1) では原点から平面へ下ろした垂線の足を求める。平面の法線ベクトルは (a,1,1) なので、最短点は λ(a,1,1) とおける。(2)では、半径3の球を平面で切った小さい方の体積は、原点から平面までの距離 d が大きいほど小さくなる。したがってまず d2=(a2)2a2+2 を最大にし、得られた d から球冠の高さ h=3d と体積を計算する。

解答

(1)
平面 ax+y+z+a2=0 の法線ベクトルは (a,1,1) である。原点に最も近い平面上の点は、原点からこの法線方向に進んだ点なので (x,y,z)=λ(a,1,1) とおける。これを平面の式に代入すると a(λa)+λ+λ+a2=0 すなわち λ(a2+2)+a2=0 である。したがって λ=2aa2+2 である。よって求める点は(a(2a)a2+2,2aa2+2,2aa2+2)である。

(2)
原点から平面までの距離を d とする。距離の公式より d=a2a2+2 である。球の中心は原点で半径は3であるから、平面が中心から遠いほど小さい方の部分の体積は小さくなる。したがって d を最大にすればよい。 d の最大化は d2=(a2)2a2+2 の最大化と同じである。これを R(a) とおくと R(a)=(a2)2a2+2 であり、微分してR(a)=2(a2)(a2+2)2a(a2)2(a2+2)2=4(a2)(a+1)(a2+2)2となる。したがって増減を調べると、R(a)a=1 で最大となる。実際 R(1)=93=3 であり、a± では R(a)1a=2 では R(a)=0 である。よって最大距離は d=3 で、このとき a=1 である。

半径3の球を、中心から距離 d の平面で切る。小さい方の部分は高さ h=3d の球冠である。半径3の球の球冠の体積は πh2(3h3) である。ここで d=3 だから h=33 である。したがってVmin=π(33)2(3333)=π(1883).以上より a=1,Vmin=π(1883) である。

別解

解法2:平方の非負性と断面積分を使う

方針

平面までの距離の最大値は、平方の非負性だけで評価する。球冠の体積は公式に頼らず、球の円形断面を表示積分して求める。

解答

(1)
平面の法線方向は (a,1,1) であるから、最短点を λ(a,1,1) とおく。平面の式へ代入してλ(a2+2)+a2=0を得る。したがってλ=2aa2+2であり、最短点は(a(2a)a2+2,2aa2+2,2aa2+2)である。

(2)
原点から平面までの距離を d とするとd2=(a2)2a2+2.ここで3(a2+2)(a2)2=2(a+1)20だから d23 であり、等号は a=1 のときに成り立つ。小さい方の球冠は平面が中心から遠いほど小さいので、a=1,d=3 のときに体積が最小となる。

法線方向を z 軸とみなすと、高さ z における球の断面積はπ(9z2)である。小さい球冠は 3z3 に対応するからVmin=π33(9z2)dz=π[9zz33]33=π(1883).

総評

難度7、計算量7、目安時間25分。平面までの距離を微分と平方の非負性で最大化し、どちらも a=1,d=3 を得た。球冠体積は公式と円形断面の表示積分で照合した。小さい方の体積が距離の増加とともに減る向きを取り違えない。

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出典: 京都大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。