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京都大学 1988年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第5問

座標空間においてe1=(1,0,0)e2=(0,1,0)e3=(0,0,1)とする.
原点を出発点とし,サイコロを振り,出た目の数によって点を移動させる.
出た目が1か4のときはe1,2か5のときはe2,3か6のときはe3だけ点を移動させるものとする.

(1) サイコロを3回振ったとき,点が(1,2,0)にある確率を求めよ.

(2) サイコロをn回振ったとき,点が3つの座標平面のいずれかの上にある確率を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率場合の数ベクトル 数え上げ、包除原理、独立性の利用

方針

各回は3方向を確率 1/3 で独立に選ぶと読み替える。(1)は方向の出現回数を数える。(2)は第 i 方向が一度も選ばれず、第 i 座標が0である事象を Ai と置く。1方向を避ける確率、2方向を同時に避ける確率を求め、3事象の包除原理で少なくとも1座標が0となる確率を出す。

解答

各回に e1,e2,e3 の方向へ進む確率は、それぞれ26=13である。

(1)

(1,2,0) に到達するには、3回のうち e1 を1回、e2 を2回選べばよい。e1 を選ぶ回は3通りなので、確率は3(13)3=19である。

(2)

ei が一度も選ばれない事象を Ai とする。これは第 i 座標が0である事象である。各回に1方向を避ける確率は 2/3 だからP(Ai)=(23)nである。異なる2方向をともに避けるには、残る1方向だけを毎回選ぶのでP(AiAj)=(13)nである。n1 では3方向をすべて避けることはできない。

包除原理よりP(A1A2A3)=3(23)n3(13)n=2n13n1である。したがって答えは(1) 19,(2) 2n13n1である。

別解

解法2:使用方向数で数える

方針

全事象を3方向の長さ n の列 3n 通りとする。座標平面上にあるのは、使用された方向が1種類または2種類の場合である。1種類だけの列を3通り、ちょうど2種類の列を「使う2方向の選択」と「両方が少なくとも1回出る列」に分けて数え、全事象で割る。

解答

(1)

3回の方向列は全部で 33 通りで、どれも同確率である。(1,2,0) になる列は122,212,221の3通りだから333=19である。

(2)

n 回の方向列は全部で 3n 通りである。点がいずれかの座標平面上にあることは、少なくとも1方向が一度も使われないこと、すなわち使用方向が2種類以下であることと同値である。

使用方向がちょうど1種類の列は、方向を選ぶだけなので3通りである。

使用方向がちょうど2種類の列は、使う2方向の選び方が3C2=3通りある。選んだ2方向による列は 2n 通りだが、片方だけを使う2列を除く必要があるので、各組について 2n2 通りである。したがって求める列の総数は3+3(2n2)=3(2n1)である。

よって確率は3(2n1)3n=2n13n1となる。したがって(1) 19,(2) 2n13n1である。

総評

難度5、計算量4で、目安は15分。(1)は方向別回数、(2)は「いずれかの座標平面上」を「少なくとも1座標が0」と読み替えることが核心である。包除原理では1方向を避ける3事象の重なりを引く。使用方向数で数える解法では、ちょうど2種類の列から片方しか出ない2列を除く。単純に 3(2/3)n とすると、1方向だけへ進む列を重複計上するのが典型的な誤りである。n1 を前提に3方向すべてを避ける事象が空であることも確認したい。

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出典: 京都大学 1988年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。