方針
共通接線をもつ点の x 座標を t とおき、関数値の一致と微分係数の一致を連立する。微分係数の一致から接点候補が二つ出るが、文系の設問では a>0 があるので一つに絞られる。面積は、接点が重解になることを確認して交点範囲を決め、上下関係を調べて積分する。
解答
(1)
共通接線をもつ点 P の x 座標を t とする。2曲線が P を通るので t3−t=t2−a であり、さらに P における接線の傾きが等しいので 3t2−1=2t である。後式を整理すると 3t2−2t−1=0 だから (3t+1)(t−1)=0 より t=1,t=−31 である。
関数値の一致から a=−t3+t2+t である。t=1 のとき a=1、t=−31 のとき a=−(−271)+91−31=−275 である。条件 a>0 より a=1 である。
(2) a=1 のとき、2曲線の交点は x3−x=x2−1 すなわち x3−x2−x+1=0 で決まる。左辺は x3−x2−x+1=(x−1)2(x+1) と因数分解できるので、交点の x 座標は x=−1 と x=1 であり、x=1 は接点に対応する重解である。
区間 −1≦x≦1 では (x−1)2≧0 かつ x+1≧0 だから x3−x−(x2−1)=(x−1)2(x+1)≧0 である。したがって求める面積は ∫−11{x3−x−(x2−1)}dx である。計算すると∫−11(x3−x2−x+1)dx=[4x4−3x3−2x2+x]−11=34となる。よって面積は 34 である。
総評
難度5、計算量4。共通接線条件を「関数値の一致」と「微分係数の一致」に分けて立式する標準的な微積分問題である。想定時間は18分程度。a>0 による候補除外を忘れると、理系第1問と同じ二候補の扱いになってしまう。面積計算では、接点が重解であること、区間内でどちらの曲線が上にあるかを明記してから積分すると答案が安定する。
冊子PDFで見る京大の微分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1990年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。