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京都大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

関数y=f(x) (x0)は次の条件(A),(B)を満たしている.

(A) f(x)は微分可能でf(x)は連続,かつf(x)>0

(B) 正の定数aがあって
0x(f(t))adt=af(x)(et22+ta)dt

(1) (B)の等式の両辺をxについて微分して得られる(yの満たす)微分方程式を書け.またf(0)の値を求めよ.

(2) 正の定数bcがあって次の不等式(イ),(ロ)を満たしていることを示せ.

(イ) bf(x)1

(ロ) 0f(x)(1f(x)1)c

(3) limxf(x)を求めよ.またf(x)の最小値を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

微分積分指数・対数 文字消去微分による最大最小、範囲評価

方針

積分方程式を x で微分して f(x) の式を得る。そこから f(x)>0f(x)1 が分かり,さらに uaeu2/2 型の関数が有界であることを使って下からも押さえる。極限は f(x) の式と f(x) から従う。最小値は,f(x)[a,) を動くことを使い,uaeu2/2 の最大値を調べて求める。

解答

(1)

まず,x=0 を与えられた等式に代入する。左辺は 0 であるから af(0)(et2/2+ta)dt=0 である。被積分関数は t>0 で正であり,また f(0)>0 なので f(0)=a でなければならない。

次に,等式の両辺を x で微分する。左辺は ddx0xf(t)adt=f(x)a である。右辺は上端が f(x) であるから (ef(x)2/2+f(x)a)f(x) となる。よって f(x)a=(ef(x)2/2+f(x)a)f(x) である。両辺を f(x)a で割ると 1=(f(x)aef(x)2/2+1)f(x) だから f(x)=11+f(x)aef(x)2/2 を得る。

(2)

この式から直ちに 0<f(x)1 が分かる。さらに f(x)>0 より f(x) は増加し,f(0)=a だから f(x)a(x0) である。関数 uaeu2/2(ua)u0 に近づき,閉区間ごとに連続であるから,上に有界である。その上界を M とすれば 0f(x)aef(x)2/2M である。したがって 11+Mf(x)1 が成り立つ。よって b=11+M とおけば,条件を満たす正の定数 b が存在する。

また 1f(x)1=f(x)aef(x)2/2 であるから f(x)(1f(x)1)=f(x)a+1ef(x)2/2 である。関数 ua+1eu2/2(ua) も上に有界であるから,その上界を c とすれば 0f(x)(1f(x)1)c が成り立つ。

(3)

次に極限を求める。上で得た f(x)b>0 より f(x)f(0)+bx=a+bx であるから,x のとき f(x) である。したがって f(x)aef(x)2/20 となり,f(x)=11+f(x)aef(x)2/2 から limxf(x)=1 を得る。

最後に f(x) の最小値を求める。f(x)f(x)=11+uaeu2/2,u=f(x) の形であり,f(x)a から増加して まで動く。したがって f(x) の最小値は,ua における uaeu2/2 の最大値から決まる。 ϕ(u)=uaeu2/2 とおく。u>0ϕ(u)ϕ(u)=auu=au2u である。したがって ϕ(u)0<u<a で増加し,u>a で減少する。 0<a1 のときは aa であるから,区間 ua における最大値は u=aϕ(a)=(a)aea/2=aa/2ea/2 である。よってこの場合の f(x) の最小値は 11+aa/2ea/2 である。

一方,a1 のときは aa であり,区間 ua では ϕ(u) は減少する。したがって最大値は u=aϕ(a)=aaea2/2 である。よってこの場合の f(x) の最小値は 11+aaea2/2 である。a=1 では二つの式はいずれも 11+e1/2 となり一致する。

総評

積分方程式は,まず微分して f(x)f(x) だけで表すのが出発点である。得られた式から f(x)>0 が分かるため,f(x)a から単調に増加する。評価問題では,uaeu2/2ua+1eu2/2 が大きい u0 に近づくことを使えば十分である。最小値は f(x) そのものではなく,分母にある uaeu2/2 の最大値を調べる問題に変わる。aa の大小が a=1 で入れ替わるため,最後の答えが二つの場合に分かれる。

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出典: 京都大学 1991年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。