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京都大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

f(x)xの3次式で,f(x)をその導関数f(x)で割ったときの余りは定数である.

このとき方程式f(x)=0をみたす実数xはただ一つであることを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安18

微分方程式・不等式 式変形、接線・法線、計算整理

方針

3次式を平行移動して、2次の項がない形 f(x)=Au3+pu+q に直す。ここで u=xh とすれば、導関数は 3Au2+p であり、割り算の余りを直接計算できる。余りが定数であるためには u の係数が消える必要があり、p=0 が従う。すると f(x)=A(xh)3+q となり、3乗関数の平行移動なので実数解はただ1つである。

解答

f(x) は3次式であるから、適当な実数 hpqA0 を用いて f(x)=A(xh)3+p(xh)+q と書ける。これは、3次式を平行移動して2次の項を消した形である。 u=xh とおくと f(x)=Au3+pu+q であり、f(x)=3Au2+p である。f(x)f(x) で割ることは、Au3+pu+q3Au2+p で割ることと同じである。

実際に割ると、まず商の一部は u/3 であり、u3(3Au2+p)=Au3+p3u である。したがって余りは (Au3+pu+q)(Au3+p3u)=2p3u+q である。

問題の条件より、この余りは定数である。したがって u の係数は 0 でなければならないから 2p3=0 すなわち p=0 である。よって f(x)=A(xh)3+q の形である。

方程式 f(x)=0A(xh)3+q=0 すなわち (xh)3=qA である。実数 r に対して z3=r を満たす実数 z はただ1つであるから、xh もただ1つに決まる。したがって f(x)=0 を満たす実数 x はただ1つである。

別解。f(x)=Ax3+Bx2+Cx+D とおいて直接割り算をしてもよい。このとき f(x)=3Ax2+2Bx+C であり、余りの x の係数は 6AC2B29A となる。余りが定数であることから B2=3AC となり、f(x)=3A(x+B3A)2 である。これを積分しても f(x)=A(xh)3+q の形が得られる。

総評

割り算の余り条件を、3次式の形の制限へ変える証明問題で、18分程度が目安である。一般形で割っても解けるが、平行移動して2次の項を消すと計算がかなり軽くなる。余りが定数という条件は、余りの中の u の係数が 0 であることを意味する。最後は A(xh)3+q が単調な3乗関数の平行移動であること、または3乗方程式が実数解をただ1つ持つことを明記すればよい。

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出典: 京都大学 1989年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。