Evolton

京都大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

3組の対辺が互いに垂直であるような4面体Vがある.
このとき,Vの各辺の中点は,Vの重心を中心とするある1つの球面上にあることを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 内積の利用ベクトル成分計算、計算整理

方針

重心を原点に取り,各頂点の位置をベクトルで表す。辺の中点が同一球面上にあることは,原点から各中点までの距離がすべて等しいことと同じである。そこで,向かい合う辺が垂直である条件を内積の式に直し,a+ba+ca+d などの長さが等しいことを順に示す。

解答

四面体の頂点を A,B,C,D とし,重心を原点 O に取る。各頂点の位置ベクトルを OA=a,OB=b,OC=c,OD=d と書くと,重心が原点であることから a+b+c+d=0 である。

AB の中点の位置ベクトルは (a+b)/2 である。同様に,六つの辺の中点はa+b2, a+c2, a+d2, b+c2, b+d2, c+d2で表される。したがって,これらが原点を中心とする同一球面上にあることを示すには,これらの長さがすべて等しいことを示せばよい。

まず,向かい合う辺 ADBC が垂直であるから (ad)(bc)=0 である。ここで d=(a+b+c) を用いると ad=2a+b+c であるから (2a+b+c)(bc)=0 となる。これを展開すると 2ab2ac+b2c2=0 である。一方,a+b2a+c2=2ab2ac+b2c2 だから a+b=a+c を得る。

同様に,向かい合う辺 ACBD が垂直であることから (ac)(bd)=0 であり,同じ計算により a+b=a+d が得られる。したがって a+b=a+c=a+d である。

さらに a+b+c+d=0 より a+b=(c+d),a+c=(b+d),a+d=(b+c) である。よって a+b=c+d, a+c=b+d, a+d=b+c も成り立つ。

以上から,六つの中点の原点からの距離はすべて 12a+b に等しい。したがって六つの辺の中点は,重心 O を中心とし半径 12a+b の一つの球面上にある。

総評

重心を原点に置くと,辺の中点の位置ベクトルが (a+b)/2 の形にそろう。あとは「向かい合う辺が垂直」という幾何条件を内積の等式に変換し,二つの中点距離の平方差がその等式そのものになることを見抜けばよい。最後に a+b=(c+d) などを使うことで,向かい合う辺の中点距離も同じになる。球面の中心が重心であることまで自然に説明できる解法である。

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出典: 京都大学 1991年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。