方針
各点の位置ベクトルを単位ベクトルとみなし、中点までの距離を内積で表す。3本すべてが 1/2 未満と仮定すると3組の内積の和が小さくなりすぎ、∣a+b+c∣2≧0 に反する。
解答
点 A,B,C の位置ベクトルを a,b,c とする。半径が1だから∣a∣=∣b∣=∣c∣=1.中点 P の位置ベクトルは (b+c)/2 である。
3本とも長さが 1/2 未満であると仮定する。すると2b+c<21より ∣b+c∣2<1、従って2+2b⋅c<1,b⋅c<−21.同様にc⋅a<−21,a⋅b<−21.したがって∣a+b+c∣2=3+2(a⋅b+b⋅c+c⋅a)<0となり矛盾する。よって OP,OQ,OR の少なくとも1本は長さ 1/2 以上である。
別解
解法2
方針
3中点への距離の2乗の和を計算する。位置ベクトルの和の長さの2乗を用いると平均が少なくとも1/4と分かり、最大の1本を評価できる。
解答
点A,B,Cの位置ベクトルをa,b,cとする。いずれも長さ1である。中点の位置ベクトルからOP2+OQ2+OR2==41{∣b+c∣2+∣c+a∣2+∣a+b∣2}41{6+2(a⋅b+b⋅c+c⋅a)}.一方、∣a+b+c∣2=3+2(a⋅b+b⋅c+c⋅a)≧0.よってOP2+OQ2+OR2=43+∣a+b+c∣2≧43.3個の平方の少なくとも1個は1/4以上なので、max{OP,OQ,OR}≧21.
総評
空間ベクトルの内積を使う簡潔な証明問題で目安は10分。3本すべてが短いと仮定する背理法と、最後に長さの2乗が負になる矛盾を明示する。 方針だけでなく、条件を使う箇所、途中式、等号・境界の判定まで答案に明記することが安定得点につながる。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。
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出典: 京都大学 1993年度 後期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。