Evolton

京都大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

Oを原点とする座標空間の3点をA(0,1,2)B(2,3,0)P(5+t,9+2t,5+3t)とする.
線分OPと線分ABが交点を持つような実数tが存在することを示せ.
またそのとき,交点の座標を求めよ.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安12

ベクトル ベクトル成分計算文字消去、存在証明

方針

線分 OP 上の点と線分 AB 上の点をそれぞれパラメータ表示し,3つの座標を比較する。未知数は線分 OP 上の比,線分 AB 上の比,そして問題で与えられた t の3つである。連立方程式をそのまま解き,最後に得られた2つの比がどちらも [0,1] に入ることを確認すれば,直線ではなく線分どうしの交点であることまで示せる。

解答

線分 OP 上の点は,0s1 を用いて s(5+t,9+2t,5+3t) と表せる。一方,線分 AB 上の点は,0u1 を用いて A+u(BA)=(0,1,2)+u(2,2,2)=(2u,1+2u,22u) と表せる。

この2点が一致するとして各成分を比較すると
\begin{equation*}
s(5+t)=2u,  (1)
\end{equation*}

\begin{equation*}
s(9+2t)=1+2u,  (2)
\end{equation*}

\begin{equation*}
s(5+3t)=2-2u.  (3)
\end{equation*}
(2)から(1)を引くと s(4+t)=1 である。また,(3)に(1)を加えると s(10+4t)=2 すなわち s(5+2t)=1 である。したがって s(4+t)=s(5+2t) である。左辺は1なので s0 であり,4+t=5+2t から t=1 を得る。このとき s(4+t)=1 より 3s=1,s=13 である。さらに(1)より 13(51)=2u,u=23 である。s=13u=23 はどちらも [0,1] に入るので,実際に線分 OP と線分 AB は交わる。

交点は線分 AB の表示に代入して (2u,1+2u,22u)=(43,73,23) である。よって交点の座標は (43,73,23) であり,そのときの実数は t=1 である。

総評

直線どうしではなく線分どうしの交点を問うているので,パラメータを解いた後に 0s,u1 を確認することが必要である。目安は12分程度。3式を力任せに解くより,(2)-(1) と (3)+(1) を使って s(4+t)=1s(5+2t)=1 を作ると計算が短い。交点座標はどちらの線分表示に代入してもよいが,最後に座標を明示すること。

冊子PDFで見る京大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2006年度 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。