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京都大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系(甲)数学 第6問

空間内に原点Oを中心とし半径1の球面Sを考え,
S上の2点をA(12,0,32)
B(14,34,32)とする.
z=32で与えられる平面でSを切った切り口の円において,
ABを結ぶ弧のうち短い方の長さをl1とする.
また3点OABを通る平面でSを切った切り口の円において,
ABを結ぶ弧のうち短い方の長さをl2とする.
このときl1>l2を証明せよ.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安15

ベクトル図形と方程式 内積の利用円の性質三角比の利用

方針

l1 は平面 z=3/2 による小円上の弧長であり,その小円の半径は 1/2 である。A,B の平面内での中心角を求めると π/3 なので l1=π/6 となる。一方,O,A,B を通る平面による切り口は半径1の大円であり,l2AB の中心角に等しい。内積から cosl2=7/8 を求め,7/8>3/2=cos(π/6) と比較する。

解答

平面 z=32 で単位球面を切ると,切り口の円の中心は (0,0,32) であり,半径は 1(32)2=12 である。

この平面内で,中心から AB へ向かうベクトルは,xy 成分だけを見れば(12,0),(14,34)である。これらの内積は 1/8,それぞれの長さは 1/2 なので,中心角 θ1cosθ1=1/8(1/2)(1/2)=12 を満たす。短い方の弧なので θ1=π3 であり,l1=12π3=π6 である。

次に,3点 O,A,B を通る平面は原点を通るので,球面との切り口は半径1の大円である。したがって l2 は,単位ベクトル AB のなす中心角に等しい。内積を計算するとAB=1214+034+3232=18+34=78.よって cosl2=78 である。

一方 cosπ6=32 であり,(78)2=4964>4864=(32)2より 78>32 である。0<l2<π/2 で余弦は減少するから,l2<π6=l1 となる。したがって l1>l2 が示された。

同じ弦でも、小円と大円では中心角と弧長が異なる。

別解

解法2(共通の弦長から比較する方法)

方針

2つの円に共通する弦 AB の長さを求める。半径 r、中心角 θ の円で弦長は 2rsin(θ/2) だから、小円と大円の中心角を正弦の大小だけで比較する。逆三角関数は使わない。

解答

まずAB=(1214)2+(034)2=116+316=12である。

小円の半径は 1/2 である。その中心角を α とすると、弦長の公式から12=212sinα2である。短い弧なので 0<α<π であり、sinα2=12から α=π/3 を得る。よってl1=12α=π6.大円の半径は1である。その中心角を β とすると12=2sinβ2,sinβ2=14.ここでsinπ12=624>14である。最後の不等式は62>1と同値であり、6>1+2 の両辺を2乗して6>3+22を確認すればよい。

0<β/2<π/2 で正弦は増加するからβ2<π12,β<π6.大円の半径は1なので l2=β である。したがってl2<π6=l1が示された。

総評

小円上の弧と大円上の弧を混同しないことが中心である。想定時間は15分前後,難易度は5,計算量は3程度。l1 では切り口の円の半径が 1/2 になるため,中心角が π/3 でも弧長は π/6 である。l2 は原点を通る平面による大円なので,内積から中心角を直接出せる。最後は角そのものを求めなくても,余弦の大小で π/6 と比較すれば十分である。

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出典: 京都大学 2008年度 前期 数学(理系甲)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。