方針
時刻0で はすでに訪問済みなので,時刻1から までに がすべて現れる確率を求める。全経路は各秒3通りで 通り。 のうち訪問されない頂点がある経路を包除原理で引く。1つの頂点を避ける経路は毎回2通り,2つの頂点を避ける経路は2頂点間を交互に動く1通りである。
解答
時刻0で点 は にいるので, はすでに現れている。したがって,時刻1から時刻 までの間に の3頂点がすべて現れる確率を求めればよい。
各秒ごとに,現在いる頂点以外の3頂点のどれかへ移るので,全経路数は 通りである。 のうち,少なくとも1つが現れない経路を包除原理で数える。例えば が一度も現れない経路を考える。このとき点 は の3頂点だけを動く。これらのどの頂点にいても, を避けて次に動く先は2通りあるので,そのような経路は 通りである。避ける頂点は の3通りだから,1つの頂点を避ける条件の和は である。
次に,例えば と がどちらも現れない経路を考える。このとき動ける頂点は と だけであり,時刻0で にいるので,その後は と交互に動くしかない。したがって経路は1通りである。避ける2頂点の選び方は 通りである。
3つすべて を避けることは,1秒後にどこかへ移らなければならないため不可能である。よって,時刻1から までに がすべて現れる経路数は である。
したがって求める確率は である。 では分子が0になり,3頂点すべてを訪れるには少なくとも3秒必要であることとも一致する。
別解
解法2(訪問済み頂点数の漸化式)
方針
全 経路を、時刻 までに訪れた頂点が2個・3個・4個のものへ分ける。ちょうど2頂点を訪れた経路数は常に3。ちょうど3頂点を訪れた経路数の漸化式を解き、全経路数から引く。
解答
とする。時刻 までに訪れた頂点がちょうど2個、3個、4個である経路数を、それぞれ とする。
ちょうど2頂点だけを訪れるには、 と のいずれか1頂点との間を交互に動くしかない。相手の選び方が3通りあるのでである。
ちょうど3頂点を訪れた経路が次の1秒後にも3頂点だけを訪れるには、現在位置以外の訪問済み2頂点のどちらかへ動けばよいので2通りである。また、ちょうど2頂点を訪れた経路から新しい1頂点へ動く方法も2通りである。したがってこれを解くととなる。
時刻 までの全経路数は 通りであり、 では訪問頂点数は2、3、4のいずれかである。よってしたがって求める確率はである。
矢印上の数は、次の頂点の選び方の数。
総評
訪問済み頂点を数える確率問題で,時刻0の を最初から訪問済みとして扱うのが第一歩である。想定時間は12分から15分,難易度は5,計算量は3程度。包除原理では,1頂点を避ける場合は毎回2通りだが,2頂点を避ける場合は残った2頂点間を交互に動く1通りしかない。この違いを混同しないことが重要である。 でも式が0を返すため,場合分けを追加しなくてよい。