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京都大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験(数学理系乙)理系(乙)数学 第3問

n 枚のカードを積んだ山があり,各カードには上から順番に 1 から n まで
番号がつけられている.ただし n2 とする.
このカードの山に対して次の試行を繰り返す.

1回の試行では,一番上のカードを取り,山の一番上にもどすか,
あるいはいずれかのカードの下に入れるという操作を行う.
これら n 通りの操作はすべて同じ確率であるとする.

n 回の試行を終えたとき,最初一番下にあったカード(番号 n)が
山の一番上にきている確率を求めよ.

難易度8/ 10計算量6/ 10目安25

確率場合の数 状態分類、場合分け、確率漸化式数え上げ

方針

番号 n のカードより上にあるカードの枚数を状態 k とする。k>0 のとき、1回の操作で k はそのままか1だけ減り、減る確率は (nk)/n、そのままの確率は k/n である。初期値 n1 から n 回後に0となるには、最初の n1 回で全て減って最後に番号 n を一番上へ戻す場合と、正の状態のどこかで1回だけ停滞する場合の2種類しかない。

解答

番号 n のカードより上にあるカードの枚数を k とする。k>0 のとき、一番上のカードを取り除いた直後は上のカードが k1 枚になる。取り出したカードを番号 n のカードより上へ戻す方法は k 通り、下へ入れる方法は nk 通りである。したがってP(kk)=kn,P(kk1)=nkn.初めは k=n1 であり、1回の試行で k は高々1しか減らない。

まず、最初の n1 回で毎回 k が1ずつ減る確率を p とするとp=1n2nn1n=(n1)!nn1.この後は番号 n のカード自身が一番上にある。第 n 回でこのカードを再び一番上へ戻す確率は 1/n だから、この場合の確率は p/n である。

次に、第 n 回で初めて k=0 となる場合を考える。この場合、n 回のうち n1 回は k が1減り、残る1回だけ正の状態 k にとどまる。この停滞が状態 k で起こる確率は、全て減る経路の確率 pk/n を掛けたものである。k=1,2,,n1 を合計するとpk=1n1kn=pn12.以上の2つの場合は互いに排反であり、これら以外には n 回で k=0 になれない。したがって求める確率は(n1)!nn1(1n+n12)=(n1)!{n(n1)+2}2nn.状態の移り方

状態は「番号 n のカードより上にある枚数」。正の状態では,1回に0または1だけ減る。

総評

難度8、計算量6。想定時間は25分程度。山全体の並びを追うと状態数が大きすぎるが、目標カードより上の枚数だけなら毎回0または1しか減らない。n1 から n 回で0へ行くには停滞が高々1回という観察が核心である。全て減る基準経路の確率 (n1)!/nn1 を先に作り、停滞する状態 k の確率 k/n を足す。早く一番上へ達した場合は最終回に目標カード自身を引くため、別に 1/n を掛けることを忘れない。

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出典: 京都大学 2009年度 前期 数学(理系(乙))(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。