方針
全てのボールを区別して考える。全事象は (2n)n 通り、全て異なる箱に入る場合は 2nPn 通りである。確率を (n+1)/(2n),(n+2)/(2n),…,1 の積として書き、対数を取って和へ変える。1/n を刻み幅とする区分求積法で極限を定積分へ移し、その値を計算する。
解答
各ボールの入る箱は 2n 通りで、ボールごとに独立に選ぶから、全ての入れ方は (2n)n 通りである。どの箱にも1個以下しか入らないためには、n 個のボールが全て異なる箱に入ればよい。その入れ方は2nPn=(2n)(2n−1)⋯(n+1)通りである。したがってpn=(2n)n(2n)(2n−1)⋯(n+1).因子の順序を逆にして対数を取るとnlogpn=n1k=1∑nlog2nn+k=n1k=1∑nlog(21+k/n).右辺は関数 log{(1+x)/2} の区間 [0,1] における区分求積和である。よってn→∞limnlogpn=∫01log(21+x)dx=[(1+x)log(21+x)−(1+x)]01=log2−1.したがって求める極限値は log2−1 である。
総評
難度7、計算量5。想定時間は18分程度。確率そのものは、ボールを順に異なる箱へ入れる確率としても求められるが、2nPn/(2n)n と書くと対数処理が見えやすい。大型の積記号を使わず、因子を明示してから対数で有限和へ直す。区分求積法では (n+k)/(2n)=(1+k/n)/2 と整理し、積分区間が [0,1] になることを確認する。原始関数の下端で log(1/2)=−log2 の符号を誤らないようにしたい。
冊子PDFで見る京大の確率の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2010年度 前期 数学(理系乙)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。