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九州大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問(理系 第3問)

a9<a<10を満たす実数とする.数列{an}a1=a,an+1=an1(n1)で定め,Sn=k=1nakとおく.
このとき,次の(1),(2)に答えよ.

(1) Snnaで表せ.

(2) Sn=0が成り立つnが存在するようなaの最大値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

数列方程式・不等式 場合分け、和の計算、範囲評価

方針

9<a<10 なので,初めは絶対値の中が正のまま a,a1,,a9 と進む。次の項 a10 は負になり,その後は a109a が交互に現れる。まず 1n10,その後の偶数番目・奇数番目で Sn を分けて表す。(2) では各式を0とおいて a を整数パラメータで表し,9<a<10 に入る最大値を比較する。

解答

(1) まず 9<a<10 であるから a>0,a1>0,,a9>0 である。したがって a1=a,a2=a1,,a10=a9 である。

次に a11=a91=a10 であり,これは 1<a10<0 を満たす。また a12=a101=10a1=9a であり,これも負である。さらに 9a1=a91=a10 となるので,a11 以後は a10,9a,a10,9a, が交互に現れる。

よって,1n10 では Sn=a+(a1)++(an+1)=nan(n1)2 である。

また S10=10a45 であり,その後の2項の和は (a10)+(9a)=1 である。したがって m=0,1,2, として S10+2m=10a45m である。さらにその次の項 a10 を足すと S11+2m=10a45m+(a10)=11a55m となる。

まとめるとSn={nan(n1)2(1n10),10a45m(n=10+2m,m=0,1,2,),11a55m(n=11+2m,m=0,1,2,)である。

(2) まず 1n10 では Sn=nan(n1)2>9nn(n1)2 であり,特に n10 では正である。したがって Sn=0n11 でだけ起こり得る。

偶数側 n=10+2m では S10+2m=0 より 10a45m=0,a=m+4510 である。条件 9<a<1090<m+45<100 すなわち 45<m<55 である。整数 m の最大は 54 なので,この場合の a の最大値は 54+4510=9910 である。

奇数側 n=11+2m では S11+2m=0 より 11a55m=0,a=m+5511 である。条件 9<a<1099<m+55<110 すなわち 44<m<55 である。整数 m の最大は 54 なので,この場合の a の最大値は 54+5511=10911 である。

最後に 10911>9910 であるから,求める最大値は 10911 である。この値では m=54,すなわち n=11+254=119 で実際に Sn=0 となる。

別解

解法2(最初の10項と二項ブロック)

方針

最初の10項を等差数列としてまとめ、その後は和が 1 の二項ブロックとして扱う。偶数番目と奇数番目の零条件を比較する。

解答

(1)
9<a<10 より最初の10項はa,a1,,a9.その次はa10,9a,a10,9a,であり、二項ごとの和は 1 である。従ってSn=nan(n1)2(1n10).また m=0,1,2, に対してS10+2m=10a45m,S11+2m=11a55m.(2)
n10 では Sn>0 である。偶数側で Sn=0 ならa=m+4510,45<m<55,なので最大は m=5499/10 である。奇数側ではa=m+5511,44<m<55,なので最大は m=54109/11 である。10911>9910より求める最大値は 109/11 であり、このとき n=119 で実際に Sn=0 となる。

総評

難易度は6,計算量は6程度である。想定時間は20分から30分程度。絶対値を含む漸化式では,符号が変わる場所を先に確定することが重要である。この問題では a9>0a10<0 から,11項目以後が2周期になる。後半は偶数側と奇数側で Sn の式が違うため,片方だけで最大値を決めると誤る。最後に最大値を与える整数 m と実際の n を示すと,存在条件の確認まで含んだ答案になる。 解法2では最初の10項と、その後の2項ブロックに分けて和を管理する。

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出典: 九州大学 1986年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。