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九州大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験 論証・証明・方程式・不等式理系数学 第3問(b)

次の命題(1),(2),(3)について,真のときは証明を与え,偽のときは反例を与えよ.

(1) xyを実数とする.

x1かつy1ならば,(x+y)2(xy+1)2である.

(2) abcを実数とする.

すべての実数xについてax2+bx+c>0ならば,b24ac<0である.

(3) aを整数とする.

2次方程式x2+3x+a=0が有理数の解をもつならば,aは偶数である.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安20

論証・証明方程式・不等式 反例構成、必要十分条件不等式評価

方針

各命題を独立に真偽判定する。(1)は右辺から左辺を引き、(1x2)(1y2)に因数分解する。(2)はa=0を許しているため、定数関数の反例が作れる。(3)は整数係数の最高係数1の2次方程式なので、有理数解をもてばその解は整数であることを使い、a=p(p+3)の偶奇を調べる。

解答

(1)
真である。実際、(xy+1)2(x+y)2=x2y2+2xy+1(x2+2xy+y2)=x2y2+1x2y2=(1x2)(1y2)である。x1, y1より 1x20,1y20 だから (xy+1)2(x+y)20 である。よって (x+y)2(xy+1)2 が成り立つ。

(2)
偽である。反例として a=0,b=0,c=1 をとる。このとき、すべての実数xについて ax2+bx+c=1>0 である。しかし b24ac=0 であり、b24ac<0ではない。したがって命題は偽である。

(3)
真である。有理数解を既約分数p/qで表す。ただしp,qは整数でq>0, (p,q)=1とする。これを x2+3x+a=0 に代入してq2を掛けると p2+3pq+aq2=0 である。左辺の後ろ2項はqで割り切れるので、p2qで割り切れる。(p,q)=1よりq=1である。したがって有理数解は整数である。

整数解をpとすると p2+3p+a=0 より a=p(p+3) である。pp+3は一方が偶数であるから、積p(p+3)は偶数である。よってaは偶数である。

別解

解法2

方針

(1) は平方差でなく 1+xy±(x+y) を積に分解して絶対値評価する。(2)は最高次係数が0の場合を試す。(3)はモニックな整数係数多項式の有理数解が整数であることを既約分数から示し、偶奇を見る。

解答

(1)
真である。1+xy(x+y)=(1x)(1y)0,1+xy+(x+y)=(1+x)(1+y)0.また 1+xy0 だからx+y1+xy.両辺を平方して(x+y)2(1+xy)2を得る。

(2)
偽である。(a,b,c)=(0,0,1)なら ax2+bx+c=1>0 はすべての実数 x で成り立つがb24ac=0である。

(3)
真である。
既約分数 x=p/q が解ならp2+3pq+aq2=0.従って qp2 であり (p,q)=1 から q=1。よって解は整数 p である。a=p(p+3).pp+3 は偶奇が異なるので、その積は偶数である。従って a は偶数である。

総評

真偽判定の小問集合で、目安時間は20分前後。(1)は差を取って因数分解するだけだが、平方同士の比較なので符号の議論を余分に入れない方が明快である。(2)は「2次関数」という言葉に引っ張られるが、条件文ではa=0が排除されていないため、定数関数が反例になる。(3)は有理数解が整数になる理由を、既約分数を代入して示すと答案として堅い。

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出典: 九州大学 1997年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。