Evolton

九州大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

初項a1=1と漸化式an=2an1+n3(n=2,3,)によって与えられる数列{an}について次の問いに答えよ.

(1) 一般項anを求めよ.

(2) {an}の第k項から第2k項までの(k+1)個の項の和Pkを求めよ.

(3) 整数k>1を選んだとき,
2k1ak25かつ22k2k1Pk25が成立しないkの範囲を示せ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

数列方程式・不等式 漸化式の変形和の計算、場合分け

方針

一次漸化式は、まず an+n1 のように線形部分を消す形を探すか、候補 an=2n1n+1 を帰納法で確認する。(2)は一般項を 2n1n+1 に分け、等比数列の和と等差数列の和を計算する。(3)では2つの不等式をそれぞれ k の条件に直し、同時に成立する範囲 4k26 を求めてから、その補集合を「成立しない」範囲として答える。

解答

(1)

漸化式 an=2an1+n3 から一般項を求める。まず答えの形として an=2n1n+1 を示す。 n=1 のとき、右辺は 201+1=1 であり、a1=1 と一致する。

ある n1an1=2n2(n1)+1=2n2n+2 が成り立つとする。このときan=2an1+n3=2(2n2n+2)+n3=2n12n+4+n3=2n1n+1.したがってすべての自然数 n について an=2n1n+1 である。

(2) Pk=n=k2kan=n=k2k(2n1n+1)である。まず等比数列の和はn=k2k2n1=2k1+2k++22k1=22k2k1である。

また、k から 2k までの項数は k+1 個なのでn=k2kn=(k+2k)(k+1)2=3k(k+1)2である。したがってPk=(22k2k1)3k(k+1)2+(k+1)=22k2k13k2+k2+1である。

(3)

(1) より 2k1ak=2k1(2k1k+1)=k1 である。したがって 2k1ak25k125 すなわち k26 と同値である。

また(2)より 22k2k1Pk=3k2+k21 である。したがって 22k2k1Pk253k2+k2125 すなわち 3k2+k520 と同値である。左辺は 3k2+k52=(k4)(3k+13) である。k>1 では 3k+13>0 なので、この条件は k4 となる。

よって2つの不等式が同時に成立する整数 k>14k26 である。したがって、2つの不等式が同時には成立しない整数 k>1 の範囲は 2k3,27k である。

二条件の成立範囲

別解

解法2

方針

bn=an+n1 と置くと、非斉次項が消えて bn=2bn1 になる。一般項を得た後は区間和を計算し、二つの不等式が同時に成立する範囲の補集合を取る。

解答

(1) bn=an+n1と置くとbn=2an1+2n4=2bn1,b1=1.よって bn=2n1 でありan=2n1n+1.(2)Pk=n=k2k(2n1n+1)=22k2k13k2+k2+1.(3)
第一の不等式はk125    k26,第二の不等式は3k2+k2125    (k4)(3k+13)0    k4.したがって二条件の同時成立範囲は 4k26。整数 k>1 で同時成立しない範囲は2k3,k27である。

総評

難度6、計算量6。目安時間は20〜25分。一般項、区間和、不等式処理の三段構成であり、前半の式を正確に作れば後半は整理問題になる。(2)では k から 2k までが k+1 個である点を落としやすい。(3)の日本語は「2条件が同時に成立しない」範囲を聞いているので、先に同時成立範囲 4k26 を求め、その補集合を整数条件 k>1 の中で答えると安全である。

冊子PDFで見る九大の数列の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2004年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。