方針
漸化式に f′(x)=2x+2p を代入し、固定点 −p からのずれ an+p を見ると等比数列になる。0<r<21 より公比 1−2r は 0 と 1 の間なので、絶対値和も等比級数として処理できる。
(3) は平方完成により f(x)−m=(x+p)2 と表し、an+p の絶対値が毎回 1−2r 倍されることから厳密な減少を示す。
解答
(1) f′(x)=2x+2p である。したがって漸化式は an+1=−r(2an+2p)+an=(1−2r)an−2rp となる。ここで λ=1−2r とおくと、0<r<21 より 0<λ<1 である。また an+1+p=λan−2rp+p であり、λ=1−2r だから −2rp+p=(1−2r)p=λp である。よって an+1+p=λ(an+p) となる。 a1=0 より a1+p=p であるから、an+p=pλn−1 である。したがって an=p{(1−2r)n−1−1} である。
(2)
(1) の式からan+1−an=p{λn−1}−p{λn−1−1}=pλn−1(λ−1)=−2rp(1−2r)n−1である。0<1−2r<1 なので ∣an+1−an∣=2r∣p∣(1−2r)n−1 である。よってn=1∑∞∣an+1−an∣=2r∣p∣n=1∑∞(1−2r)n−1=2r∣p∣⋅1−(1−2r)1=∣p∣.(3)
平方完成すると f(x)=x2+2px+q=(x+p)2+q−p2 である。したがって最小値は m=q−p2 であり、f(x)−m=(x+p)2 である。特に f(x)−m≧0 なので、絶対値を付けても ∣f(x)−m∣=(x+p)2 である。
(1) より an+p=p(1−2r)n−1 であるから、∣f(an)−m∣=(an+p)2=p2(1−2r)2(n−1) である。p=0 かつ 0<1−2r<1 より、p2(1−2r)2n<p2(1−2r)2(n−1) である。したがって任意の n について ∣f(an+1)−m∣<∣f(an)−m∣ が成り立つ。
別解
解法2
方針
(1) で an+p が正の公比をもつ等比数列であることを確認する。(2) は各差を加える代わりに、数直線上で an が 0 から極限 −p へ同じ向きに近づくことを使い、移動距離の総和として求める。(3) は平方完成で最小値との差を比較する。
解答
(1)
an+1+p=(1−2r)(an+p) であるからan=p{(1−2r)n−1−1}.(2)
(2) は数直線上の移動距離としても見られる。an+p=p(1−2r)n−1 であり、公比が正で 1 より小さいので、an は初項 0 から極限 −p へ向かって同じ向きに近づく。したがって移動距離の総和は、初項から極限までの距離に等しく ∣0−(−p)∣=∣p∣ である。
(3)
m=q−p2 かつ f(x)−m=(x+p)2 である。したがって∣f(an+1)−m∣=p2(1−2r)2n<p2(1−2r)2(n−1)=∣f(an)−m∣.
総評
固定点を引いて同次化する数列問題で、目安時間は15分程度。an そのものではなく an+p を見ると、公比 1−2r の等比数列になる。(2) は絶対値があるため p の符号に注意し、∣p∣ で答える。(3) は最小値との差が (x+p)2 になることを使うだけでよく、q は最終的に消える。別解の移動距離の見方は短いが、単調に近づく理由として公比が正で 1 未満であることを添える必要がある。
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出典: 九州大学 2005年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。