方針
円の中心を原点とし,A,B,P の位置ベクトルをそれぞれ a,b,p とする。半径が1なので3つのベクトルはいずれも長さ1であり,AB=3 から a⋅b=−1/2,したがって ∣a+b∣=1 がわかる。AP2+BP2 を展開すると 4−2p⋅(a+b) になるので,内積の最小値 −1 を使って最大値を出す。幾何的には,P が a+b と反対方向にあるとき最大になる。
解答
円の中心を O とし,A,B,P の位置ベクトルをそれぞれ a,b,p とする。半径が1で,3点は円周上にあるので ∣a∣=∣b∣=∣p∣=1 である。
条件 AB=3 より ∣a−b∣2=3 である。一方,∣a−b∣2=∣a∣2+∣b∣2−2a⋅b=2−2a⋅bだから,2−2a⋅b=3 すなわち a⋅b=−21 である。したがって ∣a+b∣2=∣a∣2+∣b∣2+2a⋅b=2−1=1 より ∣a+b∣=1 である。
求める量を展開すると,AP2+BP2=∣p−a∣2+∣p−b∣2=(∣p∣2+∣a∣2−2p⋅a)+(∣p∣2+∣b∣2−2p⋅b)=4−2p⋅(a+b).ここで ∣p∣=1,∣a+b∣=1 であるから,p⋅(a+b)≧−1 である。等号は,p が −(a+b) と同じ向きを向くときに成り立つ。この向きの点は円周上に実際に存在する。
したがって AP2+BP2≦4−2(−1)=6 であり,最大値は 6 である。
等号を与える配置では、点 P は a+b と反対向きにある。
別解
解法2(座標と三角関数で1変数化)
方針
円の中心を原点とし、弦 AB が y 軸に平行になるように A=(1/2,3/2)、B=(1/2,−3/2) と置く。円周上の点を P=(cosθ,sinθ) と表して2つの距離の平方を足すと、4−2cosθ だけが残る。−1≦cosθ≦1 から最大値と等号条件を直ちに決める。
解答
円の中心を原点とし、座標軸を回転してA=(21,23),B=(21,−23)とおく。両点は単位円上にあり、AB=3 である。円周上の点 P はP=(cosθ,sinθ)と表せる。
このときAP2BP2=(cosθ−21)2+(sinθ−23)2,=(cosθ−21)2+(sinθ+23)2.辺々を加え、cos2θ+sin2θ=1 を用いるとAP2+BP2=4−2cosθとなる。−1≦cosθ≦1 だからAP2+BP2≦4−2(−1)=6.cosθ=−1、すなわち P=(−1,0) のとき等号が成り立つ。したがって最大値は 6 である。
総評
公式の出題意図は、円周角の定理と余弦定理を理解しているかを問うとしている。
円周上の点を位置ベクトルで扱う短い図形問題。目安時間は8分前後。AB=3 から a⋅b=−1/2 を出し,さらに ∣a+b∣=1 につなげるのが中心である。AP2+BP2 の展開では定数項が 4 になること,最大化では内積を最小にすることに注意したい。等号が円周上の実際の点で達成されることまで書けば,最大値の確認として十分である。
点 P を円周上で細分走査し、AP2+BP2 の最大値が 6 で、図示した反対側の点で達成されることを独立検算した。
冊子PDFで見る九大のベクトルの問題で問題集を作る
出典: 九州大学 2025年度 一般選抜 数学(文科系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。