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名古屋大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 場合の数・論証・証明理系数学 第4問(b)

M={1,2,,n}を1からnまでの自然数の集合、fMからMへの写像とし、f1=f,f2=ff,f3=fff,,fk=fffk個の合成,とする.次の(1),(2)を証明せよ.

(1) 1,2,,n,n+1の中から異なる2つのp,qを選び、fp(1)=fq(1)とすることができる.

(2) f1(1),f2(1),,fn(1)がすべて互いに異なるならば、fn(1)=1である.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安10

場合の数論証・証明 数え上げ、背理法、状態分類

方針

(1)n+1個の値がn元集合に入ることへ鳩の巣原理を適用する。(2)では最初のn項が集合M全体を尽くすことを使い、値1の現れる位置が最後でなければ重複が起こると示す。

解答

(1) 任意の自然数kについてfk(1)Mである。f1(1),f2(1),,fn+1(1)n個の元しかないMに入るn+1個の値なので、鳩の巣原理により少なくとも2つは等しい。したがって異なるp,q{1,2,,n+1}を選んでfp(1)=fq(1)とできる。

(2) f1(1),,fn(1)がすべて異なるなら、これらn個の値はMの全要素をちょうど一度ずつ取る。ゆえに、あるj{1,,n}についてfj(1)=1である。

もしj<nならfj+1(1)=f(fj(1))=f(1)=f1(1).ここで1j+1はともに1,,nに属する異なる添字なので、最初のn項が互いに異なるという仮定に反する。したがってj=nであり、fn(1)=1である。

別解

解法2

方針

写像fを各頂点から矢印が1本出る有向グラフとして見る。1から矢印をたどる軌道は有限なので必ず循環へ入り、最初のn項がすべて異なる場合には1を含む長さnの循環でなければならない。

解答

集合Mの各元を頂点とし、各xMからf(x)へ矢印を引く。このとき1f1(1)f2(1)は頂点1から矢印をたどる道である。

(1) n+1回たどって得るf1(1),,fn+1(1)n頂点上の値だから、同じ頂点を少なくとも2回通る。これが所要のp,qを与える。

(2) 最初のn項がすべて異なるなら、その道はMの全n頂点をちょうど一度ずつ通る。特に頂点1へ戻るが、n項目より前に戻れば、その直後から軌道が最初と同じ順序で繰り返され、最初のn項内に重複が生じる。したがって戻る時刻はnに限られ、fn(1)=1となる。

総評

難度は4、計算量は3。鳩の巣原理による列の証明と、関数グラフ上の軌道・循環による証明を照合した。(2)では最初のn項が互いに異なることから、それらがM全体を尽くす点が核心である。原典の「ずべて」は明らかな誤植として「すべて」に補正した。

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出典: 名古屋大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。