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名古屋大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

1辺の長さが1の正方形の頂点を時計まわりにABCDとする.
硬貨を投げて,表ならば2,裏ならば1,時計まわりに周上を動く運動を考える.

(1) Aから出発して硬貨を3回投げたとき23通りの動き方があるが,
そのうち最後にAにいる場合は何通りあるか.

(2) 3回のかわりに10回のときは何通りか.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安15

場合の数確率 数え上げ、場合分け、二項定理

方針

表が出た回数を h とすると、表は2だけ、裏は1だけ進むので、n 回後の全移動数は n+h である。正方形の頂点は4つなので、最後に A にいる条件はこの移動数が4の倍数になることである。(1)は n=3、(2)は n=10 として、条件を満たす h を二項係数で数える。

解答

(1)
表の出た回数を h とする。3回投げたとき、裏の回数は 3h であるから、全移動数は 2h+(3h)=3+h である。最後に A にいるためには、出発点から4の倍数だけ進めばよい。したがって 3+h0(mod4) が必要十分である。0h3 より、これを満たすのは h=1 だけである。

表が1回出る動き方は、3回のうちどの1回を表にするかで決まるので 3C1=3 通りである。よって答えは 3 通り、すなわち 3 である。

(2)
10回投げるときも同様に、表の回数を h とすると全移動数は 2h+(10h)=10+h である。最後に A にいる条件は 10+h0(mod4) であり、102(mod4) だから h2(mod4) である。0h10 の範囲でこれは h=2,6,10 を与える。

したがって求める動き方の数は10C2+10C6+10C10=45+210+1=256通りである。よって答えは 256 通り、すなわち 256 である。

別解

解法2:4頂点の通り数を漸化式で更新する

方針

n 回後に各頂点へ着く通り数を4成分で持つ。ある頂点へは、1つ前の頂点から裏、2つ前の頂点から表で来るので、4成分を順に更新する。

解答

(1)
n 回後に A,B,C,D にいる動き方の数を順に並べて(an,bn,cn,dn)とする。各頂点へは、時計回りに1つ前の頂点から裏、2つ前の頂点から表で来る。したがってan+1=dn+cn,bn+1=an+dn,cn+1=bn+an,dn+1=cn+bnである。初めは (a0,b0,c0,d0)=(1,0,0,0) である。

順に更新するとnanbncndn101102101233311424645106610616201612728283636872645664912013613612010256240256272となる。したがって3回後に A に戻る通り数は a3=3 である。

(2)
同じ表の10回目の行から、10回後に A に戻る通り数は a10=256 である。

総評

難度5、計算量5、目安時間15分。表の回数による合同式と、4頂点の通り数を更新する漸化式の2通りで、3回後の3通りと10回後の256通りを照合した。表で2頂点、裏で1頂点進むため、n 回後の移動数が n+h になる点を取り違えない。

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出典: 名古屋大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。