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名古屋大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

xyz空間内に,平面x+y+z=0(以後,π平面と呼ぶ)と点A(x1,y1,z1)を考える.以下の各問に答えよ.
なお,点Aπ平面への正射影とは,点Aπ平面への垂線の足をいう.
ベクトルeπ平面への正射影とは,ベクトルe
始点と終点それぞれのπ平面への正射影を始点,終点とするベクトルをいう.

(1) x軸,y軸,z軸方向の単位ベクトル(原点を始点とする)を
それぞれe1e2e3とし,
それらのπ平面への正射影e1e2
e3を求めよ.また,ベクトルe1
e2e3相互の角度を求めよ.

(2)Aπ平面への正射影をAとする.
x1y1z1を満足する時,点Aのとりうるπ平面上の領域を,
ベクトルe1e2e3を含む
x軸,y軸,z軸とともに,図示せよ.

(3) 3つの値x1y1z1のうち最大値と最小値との差が
一定値k (k>0)をとるように点Aが動くとき,点Aが動く軌跡をπ平面上に図示せよ.
また,その軌跡の長さを求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

ベクトル図形と方程式 座標設定ベクトル成分計算軌跡

方針

π平面の法線方向は(1,1,1)である。したがって正射影は,点またはベクトルから法線方向の成分を引いて求める。
(1)ではeiを成分で出し,長さと内積から相互の角度を求める。(2)ではe1+e2+e3=0を使い,x1y1z1を非負係数の組に直して扇形領域を得る。(3)では最大値と最小値の差だけが問題なので,3つの値から同じ数を引いて,最小を0,最大をkに直す。すると軌跡は6本の線分からなる正六角形になる。

解答

(1) π平面はx+y+z=0であり,その法線方向は(1,1,1)である。点(x,y,z)からπ平面への正射影は (x,y,z)x+y+z3(1,1,1) で与えられる。

よってe1=(23,13,13),e2=(13,23,13),e3=(13,13,23)である。

これらの長さはすべて(23)2+(13)2+(13)2=63である。また,異なる2つの内積は,例えばe1e2=2929+19=13である。したがってなす角θcosθ=1/3(6/3)2=12 を満たすので θ=120 である。

(2)

A(x1,y1,z1)の正射影AについてOA=x1e1+y1e2+z1e3である。またe1+e2+e3=0である。 x1y1z1のとき,OA=(x1y1)e1+(y1z1)(e3)と書ける。ここでx1y10y1z10である。したがってAのとりうる領域は,e1の方向の半直線とe3の方向の半直線にはさまれた領域である。 e1e3のなす角は60であるから,図示すべき領域は,x軸の正方向とz軸の負方向にはさまれた60の扇形領域である。境界も含む。

(3) x1,y1,z1に同じ数を加えても,Aは変わらない。実際,e1+e2+e3=0だからである。したがって,最大値と最小値の差だけを見るときは,最小値を0,最大値をkとして考えてよい。

たとえばx1=kz1=00y1kとすると,OA=ke1+y1e2であり,これはke1からke3までの線分を動く。同様に,どの座標が最大でどの座標が最小かを入れ替えると,軌跡は±ke1,±ke2,±ke3を頂点とする正六角形の周である。

隣り合う頂点,たとえばke1ke3の距離はke1+e3=ke2=63kである。よって軌跡の長さは 663k=26k である。

別解

解法2

方針

射影後も座標差が変わらないことに注目し、u=x1y1v=y1z1 を平面内の座標として使う。順序条件は第1象限、最大値と最小値の差一定は六角形になる。

解答

(1)
射影公式(x,y,z)(x,y,z)x+y+z3(1,1,1)よりe1=13(2,1,1),e2=13(1,2,1),e3=13(1,1,2).各長さは 6/3、異なる2本の内積は 1/3 だから、相互の角は
120 である。

(2) u=x1y1,v=y1z1とおく。3座標から同じ数を引いても射影は変わらないので、射影点はOA=ue1ve3と表せる。条件 x1y1z1u0, v0
そのものである。したがって領域は、e1e3
方向にはさまれた、境界を含む 60 の扇形である。

(3)
最大値と最小値の差が k で、順序が
x1y1z1 の部分ではu+v=k,u,v0.よってこの部分の軌跡は ke1ke3 を結ぶ線分である。
6通りの大小順序を合わせると±ke1,±ke2,±ke3を頂点とする正六角形になる。1辺はke1+e3=ke2=63kだから、全長は26k.

総評

難度は7、計算量は7。射影式、60度領域、6通りの大小順序、正六角形の1辺と周長を照合した。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。

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出典: 名古屋大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。