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名古屋大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

ABC上の時速uvwで等速運動する3点があって,
それぞれAから辺ABに沿ってBへ,Bから辺BCに沿ってCへ,Cから辺CAに沿ってAへ同時に出発したとする.
t時間後のそれらの位置をそれぞれP(t)Q(t)R(t)とする.
3点が同時に次の頂点に到達するための必要十分条件は,
P(t)Q(t)R(t)の重心の位置がtによらず一定なことである.
これを示せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安16

ベクトル ベクトル成分計算必要十分条件

方針

各辺の長さをAB=c, BC=a, CA=bとおき、各点の位置ベクトルを「その辺を進んだ割合」で表す。重心が一定であることは、3点の速度ベクトルの和が0であることと同値である。三角形の2辺方向のベクトルは一次独立なので、係数比較によりuc=va=wbを得る。これは3点が次の頂点に到達する時刻が等しいことと同値である。

解答

AB=c, BC=a, CA=bとし、頂点A,B,Cの位置ベクトルをそれぞれa,b,cとする。3点が次の頂点に到達するまでの間はOP(t)=a+utc(ba),OQ(t)=b+vta(cb),OR(t)=c+wtb(ac)である。

重心の位置ベクトルをg(t)とするとg(t)=13{OP(t)+OQ(t)+OR(t)}である。したがって、重心がtによらず一定であることは、tの係数が0であること、すなわちuc(ba)+va(cb)+wb(ac)=0と同値である。

ここで ac=(ba)(cb) であるから、上の式は(ucwb)(ba)+(vawb)(cb)=0となる。bacbは平行でないので一次独立である。よって uc=wb,va=wb すなわち uc=va=wb である。

一方、3点が次の頂点に到達する時刻はそれぞれ cu,av,bw である。これらが等しいことは uc=va=wb と同値である。したがって、3点が同時に次の頂点に到達するための必要十分条件は、P(t)Q(t)R(t)の重心の位置がtによらず一定であることである。

別解

解法2

方針

各点が次の頂点に着くまでの所要時間を TP,TQ,TR と置く。時刻 t の位置を、頂点の係数の和が1になる内分表示で書くと、重心の各頂点係数が得られる。三角形の頂点による表示の一意性から、重心一定と3つの所要時間一致を直接結ぶ。

解答

3点が次の頂点へ着くまでの時間をTP=ABu,TQ=BCv,TR=CAwとする。時刻 t の各点はP(t)=(1tTP)A+tTPB,Q(t)=(1tTQ)B+tTQC,R(t)=(1tTR)C+tTRAと表せる。

したがって重心 G(t)3G(t)=(1tTP+tTR)A+(1tTQ+tTP)B+(1tTR+tTQ)C.3頂点 A,B,C は一直線上にないので、係数の和が一定であるこの表示では、G(t) が一定となるためには t の各係数が消えることが必要十分である。よって1TP+1TR=0,1TQ+1TP=0,すなわちTP=TQ=TR.これは3点が同時に次の頂点へ到達することそのものである。逆も同じ計算から直ちに従う。

総評

重心一定と3点の到着時刻一致が同値であることを示すベクトル問題。想定時間は16分。一般の三角形なので、速度そのものではなく各辺を進む割合 u/AB,v/BC,w/CA を比較する。速度ベクトルによる解法と所要時間による内分表示の双方で、必要十分の両向きを確認した。

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出典: 名古屋大学 1997年度 前期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。