方針
各点の位置ベクトルを、出発点から辺方向へ進んだ距離で表す。重心が動かないことは、3点の速度ベクトルの和が0になることと同値である。正三角形では3辺の向きのベクトルにという関係があり、独立な2方向の係数比較からが得られる。
解答
正三角形の一辺の長さをとし、頂点の位置ベクトルをそれぞれとする。いずれかの点が次の頂点に到達するまでの間は、3点はそれぞれ同じ辺上を等速で動くのでである。
重心の位置ベクトルをとするとである。したがって、重心がによらず動かないための条件は、の係数が0であること、すなわち である。
ここで である。これを代入すると となる。とは平行でないので一次独立である。したがって である。よって を得る。
逆になら、上の速度ベクトルの和は となるので、重心は動かない。したがって求める条件は である。
別解
解法2
方針
座標を , , と置き、3点の速度ベクトルを成分で書く。重心が静止する条件は、その和の 成分と 成分がともに になることである。2本の一次方程式を解き、逆も同じ式で確認する。
解答
一辺を としてと置く。点 の進行方向はそれぞれ , , だから、速度ベクトルはである。
重心の速度はこれらの和の である。したがって重心が動かないための必要十分条件は成分を比較すると第2式から 、これを第1式に入れて を得る。よって逆にこの等式が成り立てば、上の2成分はいずれも になるから、重心は実際に静止する。
総評
正三角形の3辺方向に沿う速度と、重心の速度を結び付けるベクトル問題。想定時間は12分。解法1は辺ベクトルの一次独立性、解法2は具体的な直交座標の成分比較を使う。必要条件だけでなく、 なら速度の和が実際に0になるという十分性まで書くと完成する。