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名古屋大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

正三角形ABC上に時速uvwで等速運動する3点があって,
それぞれAから辺ABに沿ってBへ,Bから辺BCに沿ってCへ,Cから辺CAに沿ってAへ同時に出発したとする.
t時間後のそれらの位置をそれぞれP(t)Q(t)R(t)とする.
いずれかの点が次の頂点に到達するまでの間,P(t)Q(t)R(t)の重心が動かないための条件を求めよ.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安12

ベクトル ベクトル成分計算必要十分条件

方針

各点の位置ベクトルを、出発点から辺方向へ進んだ距離で表す。重心が動かないことは、3点の速度ベクトルの和が0になることと同値である。正三角形では3辺の向きのベクトルに(ba)+(cb)+(ac)=0という関係があり、独立な2方向の係数比較からu=v=wが得られる。

解答

正三角形の一辺の長さをLとし、頂点A,B,Cの位置ベクトルをそれぞれa,b,cとする。いずれかの点が次の頂点に到達するまでの間は、3点はそれぞれ同じ辺上を等速で動くのでOP(t)=a+utL(ba),OQ(t)=b+vtL(cb),OR(t)=c+wtL(ac)である。

重心の位置ベクトルをg(t)とするとg(t)=13{OP(t)+OQ(t)+OR(t)}である。したがって、重心がtによらず動かないための条件は、tの係数が0であること、すなわち u(ba)+v(cb)+w(ac)=0 である。

ここで ac=(ba)(cb) である。これを代入すると (uw)(ba)+(vw)(cb)=0 となる。bacbは平行でないので一次独立である。したがって uw=0,vw=0 である。よって u=v=w を得る。

逆にu=v=wなら、上の速度ベクトルの和は u{(ba)+(cb)+(ac)}=0 となるので、重心は動かない。したがって求める条件は u=v=w である。

別解

解法2

方針

座標を A=(0,0), B=(1,0), C=(12,32) と置き、3点の速度ベクトルを成分で書く。重心が静止する条件は、その和の x 成分と y 成分がともに 0 になることである。2本の一次方程式を解き、逆も同じ式で確認する。

解答

一辺を 1 としてA=(0,0),B=(1,0),C=(12,32)と置く。点 P,Q,R の進行方向はそれぞれ AB, BC, CA だから、速度ベクトルはvP=(u,0),vQ=v(12,32),vR=w(12,32)である。

重心の速度はこれらの和の 13 である。したがって重心が動かないための必要十分条件はvP+vQ+vR=0.成分を比較するとuv+w2=0,32(vw)=0.第2式から v=w、これを第1式に入れて u=v を得る。よってu=v=w.逆にこの等式が成り立てば、上の2成分はいずれも 0 になるから、重心は実際に静止する。

総評

正三角形の3辺方向に沿う速度と、重心の速度を結び付けるベクトル問題。想定時間は12分。解法1は辺ベクトルの一次独立性、解法2は具体的な直交座標の成分比較を使う。必要条件だけでなく、u=v=w なら速度の和が実際に0になるという十分性まで書くと完成する。

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出典: 名古屋大学 1997年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。