Evolton

名古屋大学 1997年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

xyz軸上に,3点A(1,0,0),B(0,2,0),C(0,0,3)がある.線分ABs:(1s)に内分する点をPとし,
線分PCt:(1t)に内分する点をQとする.ただし,0<s<10<t<1である.

(1) Qの位置ベクトルをstを使って表せ.

(2) Qが原点Oに最も近くなる場合のstの値を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル 座標設定ベクトル成分計算微分による最大最小

方針

まず内分公式を2回使ってQの座標をs,tで表す。原点に最も近い点を求めるには、距離OQではなくOQ2を最小化する。固定したsについてtの2次式を最小化し、その最小値が(1s)2+4s2の増加関数であることから、最後にsを平方完成して決める。

解答

(1)
Pは線分ABs:(1s)に内分する。したがって P=(1s)A+sB であるから P=(1s,2s,0) である。

次に、点Qは線分PCt:(1t)に内分するので Q=(1t)P+tC である。よって Q=((1t)(1s),2s(1t),3t) である。したがって位置ベクトルは OQ=((1t)(1s),2s(1t),3t) である。

(2)
距離の2乗を最小にすればよい。(1)より OQ2=(1t)2{(1s)2+4s2}+9t2 である。ここで As=(1s)2+4s2 とおくと OQ2=As(1t)2+9t2 である。

固定したsに対して、これをtの2次式として最小化する。微分してもよいし、平方完成してもよい。導関数は 2As(1t)+18t であるから、最小となるtAs(1t)=9t すなわち t=AsAs+9 である。このときの最小値は 9AsAs+9 である。

関数9AsAs+9As>0Asが小さいほど小さい。したがってAsを最小にすればよい。ところが As=(1s)2+4s2=5s22s+1 であり、平方完成すると As=5(s15)2+45 である。よって0<s<1で最小となるのは s=15 のときである。このときAs=45なので t=4545+9=449 である。

したがって求める値は s=15,t=449 である。

別解

解法2

方針

Q が三角形 ABC の内部全体を動くことに着目する。原点からこの三角形までの最短点は、平面 ABC への垂線の足である。平面の切片形から法線方向を求め、垂線の足を出した後、Q の内分表示と比較して s,t を復元する。

解答

P が辺 AB の内部を動き、さらに Q が線分 PC の内部を動くとき、Q は三角形 ABC の内部全体を動く。したがって、原点から三角形 ABC までの距離を最小にすればよい。

3点A=(1,0,0),B=(0,2,0),C=(0,0,3)を通る平面は、切片形からx+y2+z3=1.この平面の法線方向はn=(1,12,13)である。原点から下ろした垂線の足を H=λn と置く。平面の式へ代入するとλ(1+14+19)=1,よってλ=3649,H=(3649,1849,1249).各座標は正で、この点は三角形 ABC の内部にあるから、これが最短点である。

一方、内分公式からQ=((1t)(1s),2s(1t),3t).Q=H と比較すると3t=1249よりt=449.さらに2s(1449)=1849よりs=15.したがって(s,t)=(15,449).

総評

2段階の内分点を動かして原点からの距離を最小にする空間ベクトル問題。想定時間は20分。解法1は距離の2乗を t,s の順に最小化し、解法2は三角形 ABC を含む平面への垂線の足を使う。垂線の足の各座標が正で、実際に三角形内部にあることの確認が必要である。

冊子PDFで見る名大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 1997年度 後期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。