Evolton

名古屋大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

自然数nに対して,方程式(1+x)n=1+2nxの実数解の個数を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

方程式・不等式微分 グラフの概形、場合分け、範囲評価

方針

y=1+xとおき,F(y)=yn2ny+2n1の実数零点を数える。y=1は常に解である。
n=1は別に処理する。nが偶数のときはF(y)=0が正の側に1つだけあり,負の側ではF(y)>0であることを使う。n3が奇数のときはF(y)=0が正負に1つずつあり,増減とF(0)>0F(1)=0F(1)<0から3個と判定する。

解答

y=1+xとおく。xが実数を動くときyも実数全体を動く。方程式は yn=1+2n(y1) すなわち F(y)=yn2ny+2n1=0 と書ける。常に F(1)=12n+2n1=0 である。 n=1のとき,もとの方程式は1+x=1+2xであるから,解はx=0だけである。よって実数解は1個である。

以下n2とする。 nが偶数のとき,yn0であり,特にy<0では F(y)=yn2ny+2n1>0 である。したがって負の解はない。

また F(y)=nyn12n であり,n1は奇数なので,F(y)=0は正の実数解を1つだけもつ。さらに F(0)=2n1>0,F(1)=0,F(1)=n2n<0 であるから,y=1で横切った後しばらくF(y)<0となる。その後yF(y)となり,極小点は1つだけなので,y=1のほかに正の側でちょうど1つ解をもつ。よって実数解は2個である。 n3が奇数のとき,n1は偶数である。F(y)=0y=±(2nn)1/(n1) の2つである。2n>nより,正の方の点は1より大きい。 F(y)(y)F(0)=2n1>0であり,左側の極大点までは増加するので,負の側に解が1つある。またF(1)=0であり,F(1)=n2n<0だから,y=1の直後ではF(y)<0である。正の極小点を過ぎるとF(y)となるので,y=1のほかに正の側でさらに1つ解がある。よって実数解は3個である。

以上より,求める実数解の個数は{1(n=1),2(n が偶数),3(n3 が奇数)である。

別解

解法2

方針

y=1+x として y=1 を因数として分離する。正の根は等比和の単調性、負の根は偶奇と1変数関数の増減で数える。

解答

y=1+x とおきF(y)=yn2ny+2n1とする。n=1 では x=0 の1個である。以下 n2 とする。F(y)=(y1){1+y++yn12n}.したがって y=1 は常に根である。y>0 ではG(y)=1+y++yn1は狭義単調増加し、G(1)=n<2nG(y) だから、
G(y)=2ny>1 にただ1根をもつ。よって正の根は計2個である。

n が偶数なら、y<0F(y)=yn2ny+2n1>0だから負の根はない。したがって根は2個である。

n3 が奇数なら y=t (t>0) と置く。F(t)=tn+2nt+2n1=Φ(t).Φ(t)=2nntn1は正から負へ1度だけ変わる。しかも Φ(0)=2n1>0
Φ(t) だから、Φ(t)=0 は正の範囲にただ1根をもつ。
これは F の負の根1個に対応する。以上から実数解の個数は{1(n=1),2(n が偶数),3(n3 が奇数)である。

総評

難度は6、計算量は5。自然数 n=1、偶数、3以上の奇数を分け、正負の根を重複なく数えた。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。

冊子PDFで見る名大の方程式・不等式の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。