方針
y=1+xとおき,F(y)=yn−2ny+2n−1の実数零点を数える。y=1は常に解である。
n=1は別に処理する。nが偶数のときはF′(y)=0が正の側に1つだけあり,負の側ではF(y)>0であることを使う。n≧3が奇数のときはF′(y)=0が正負に1つずつあり,増減とF(0)>0,F(1)=0,F′(1)<0から3個と判定する。
解答
y=1+xとおく。xが実数を動くときyも実数全体を動く。方程式は yn=1+2n(y−1) すなわち F(y)=yn−2ny+2n−1=0 と書ける。常に F(1)=1−2n+2n−1=0 である。 n=1のとき,もとの方程式は1+x=1+2xであるから,解はx=0だけである。よって実数解は1個である。
以下n≧2とする。 nが偶数のとき,yn≧0であり,特にy<0では F(y)=yn−2ny+2n−1>0 である。したがって負の解はない。
また F′(y)=nyn−1−2n であり,n−1は奇数なので,F′(y)=0は正の実数解を1つだけもつ。さらに F(0)=2n−1>0,F(1)=0,F′(1)=n−2n<0 であるから,y=1で横切った後しばらくF(y)<0となる。その後y→∞でF(y)→∞となり,極小点は1つだけなので,y=1のほかに正の側でちょうど1つ解をもつ。よって実数解は2個である。 n≧3が奇数のとき,n−1は偶数である。F′(y)=0は y=±(n2n)1/(n−1) の2つである。2n>nより,正の方の点は1より大きい。 F(y)→−∞(y→−∞),F(0)=2n−1>0であり,左側の極大点までは増加するので,負の側に解が1つある。またF(1)=0であり,F′(1)=n−2n<0だから,y=1の直後ではF(y)<0である。正の極小点を過ぎるとF(y)→∞となるので,y=1のほかに正の側でさらに1つ解がある。よって実数解は3個である。
以上より,求める実数解の個数は⎩⎨⎧123(n=1),(n が偶数),(n≧3 が奇数)である。
別解
解法2
方針
y=1+x として y=1 を因数として分離する。正の根は等比和の単調性、負の根は偶奇と1変数関数の増減で数える。
解答
y=1+x とおきF(y)=yn−2ny+2n−1とする。n=1 では x=0 の1個である。以下 n≧2 とする。F(y)=(y−1){1+y+⋯+yn−1−2n}.したがって y=1 は常に根である。y>0 ではG(y)=1+y+⋯+yn−1は狭義単調増加し、G(1)=n<2n、G(y)→∞ だから、
G(y)=2n は y>1 にただ1根をもつ。よって正の根は計2個である。
n が偶数なら、y<0 でF(y)=yn−2ny+2n−1>0だから負の根はない。したがって根は2個である。
n≧3 が奇数なら y=−t (t>0) と置く。F(−t)=−tn+2nt+2n−1=Φ(t).Φ′(t)=2n−ntn−1は正から負へ1度だけ変わる。しかも Φ(0)=2n−1>0、
Φ(t)→−∞ だから、Φ(t)=0 は正の範囲にただ1根をもつ。
これは F の負の根1個に対応する。以上から実数解の個数は⎩⎨⎧123(n=1),(n が偶数),(n≧3 が奇数)である。
総評
難度は6、計算量は5。自然数 n=1、偶数、3以上の奇数を分け、正負の根を重複なく数えた。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。
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出典: 名古屋大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。