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名古屋大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

三角形ABCにおいて,辺ABBCCAをそれぞれm:nに分割する点を順にDEFとする.
どんな自然数の組(m,n)を取っても,AEDFとなるならば,ABCはどんな三角形か?

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算恒等式比較必要十分条件

方針

比をλ=m/(m+n)とおき,0<λ<1を動かしてD,E,Fの位置を表す。Aを原点にしてAB=bAC=cとおけば,直交条件AEDFλについての式になる。
すべての自然数m,nで成り立つので,例えばm=nで長さの等しさを出し,さらに別の比で内積が0であることを出す。最後に,得た条件が逆に十分であることも確認し,必要十分な三角形の形を結論する。

解答

Aを原点とし,AB=b,AC=c とおく。また λ=mm+n とおくと,0<λ<1である。 DABm:nに分けるので AD=λb である。EBCm:nに分けるから AE=(1λ)b+λc であり,FCAm:nに分けるから AF=(1λ)c である。したがって DF=(1λ)cλb である。

条件AEDF{(1λ)b+λc}{(1λ)cλb}=0である。左辺を展開すると(12λ)bc+λ(1λ)(c2b2)=0となる。

まずm=n,すなわちλ=1/2を代入すると 14(c2b2)=0 であるから b=c を得る。これを上の式に戻すと (12λ)bc=0 である。たとえばm:n=1:2ならλ=1/3で,12λ0だから bc=0 である。

よって必要条件として b=c,bc=0 が得られた。これは AB=AC,BAC=90 を意味する。

逆に,AB=ACかつBAC=90なら b=c,bc=0 である。このとき上で求めた内積の式は任意のλ0になるので,どんな自然数m,nでもAEDFが成り立つ。

したがって求める三角形は AB=AC かつ BAC=90 を満たす直角二等辺三角形である。

別解

解法2

方針

直交条件を分点比の2次式として表し、自然数比から得られる無数の値で0になることから恒等式と判定する。係数比較で三角形を決める。

解答

A を原点とし、AB=b,AC=c,λ=mm+nとおく。分点の向きに注意するとAE=(1λ)b+λc,DF=(1λ)cλb.したがって直交条件はH(λ)=(12λ)bc+λ(1λ)(c2b2)=0である。自然数 m,n を動かすと λ=m/(m+n) は無数の相異なる値を
取る。一方 H(λ) は高々2次式だから、これらすべてで0なら恒等的に0である。
λ2 の係数と定数項を比較してb2=c2,bc=0を得る。すなわちAB=AC,BAC=90.逆にこの2条件があれば H(λ)0 なので、任意の自然数比で
AEDF となる。よって求めるのは、頂点 A を直角とする
直角二等辺三角形である。

総評

難度は6、計算量は5。分点の向き、自然数比から得る無数の値、必要条件だけでなく十分性まで確認した。 2解法の結論を照合し、定義域、端点、必要十分性、等号条件を再確認した。 図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式も併記している。

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出典: 名古屋大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。