方針
直線 y=x+k を楕円に代入し、共有点の x 座標が満たす二次方程式を作る。2共有点の条件は判別式で処理する。面積は P=(α,α+k),Q=(β,β+k) とおいて行列式で表し、根の差を判別式から求める。最大化は ∣k∣ の関数に直し、相加相乗または二次式の最大で決める。
解答
(1)
直線 y=x+k を楕円 9x2+4y2=1 に代入すると 9x2+4(x+k)2=1 である。両辺を36倍して整理すると 13x2+18kx+9k2−36=0 を得る。この二次方程式が異なる2つの実数解をもつことが、楕円と直線が二つの共有点をもつ条件である。
判別式を D とすると D=(18k)2−4⋅13(9k2−36)=144(13−k2) である。よって D>0 より 13−k2>0 すなわち −13<k<13 である。
(2)
2つの共有点の x 座標を α,β とする。すると P=(α,α+k),Q=(β,β+k) であるから、三角形 OPQ の面積を S とするとS=21∣α(β+k)−β(α+k)∣=21∣k∣∣α−β∣である。
二次方程式 13x2+18kx+9k2−36=0 の根の差は ∣α−β∣=13D=131213−k2 である。したがって S=136∣k∣13−k2(0<∣k∣<13) である。
ここで u=k2 とおくと ∣k∣13−k2=u(13−u) であり、0<u<13 である。積 u(13−u) は u(13−u)=−(u−213)2+(213)2 より u=13/2 のとき最大となる。よって k2=213 であるから k=±213 である。このとき最大面積は Smax=136213⋅213=3 である。
別解
解法2
方針
x=3u, y=2v により楕円を単位円へ移す。直線は単位円の弦となるので、原点から弦までの距離と弦長だけで変換後の三角形の面積を出す。元の平面へ戻す際の面積倍率6を掛け、相加相乗で最大化する。
解答
(1) x=3u,y=2vとおくと、楕円は単位円u2+v2=1へ移り、直線は−3u+2v=kとなる。原点からこの直線までの距離は ∣k∣/13 である。単位円と異なる2点で交わる条件は、この距離が1より小さいことだから∣k∣<13.(2)
変換後の平面で、弦までの距離をd=13∣k∣とすると、弦長は21−d2である。従って変換後の三角形の面積は21⋅21−d2⋅d=13∣k∣13−k2.(u,v) から (x,y) への変換は横を3倍、縦を2倍するので面積を6倍する。よってS=136∣k∣13−k2.k=0 であり、正の2数 k2, 13−k2 の和は13だからk2(13−k2)≦(213)2.等号は k2=13−k2 のときである。従ってk=±213,Smax=3.
総評
楕円と直線の交点を判別式で処理し、面積を根の差へ落とす問題で、想定時間は20分程度。k=0 は(2)で与えられており、面積式に ∣k∣ が出るため、最大化では正負両方の k を残す必要がある。根の差を D/13 とするところで係数13を落としやすい。最後は k2 に置き換えると、区間と等号条件が明確になり、答案が読みやすくなる。
冊子PDFで見る名大の図形と方程式の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1998年度 前期 理系 第4問(b)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。