方針
(1) は、円の半径を中心(0,1)から直線y=bxまでの距離として求める。(2)では接点を中心から直線へ下ろした垂線の足として求め、そのx座標1+b2bを最大化する。(3)ではb=1を代入し、原点側の円弧y=1−21−x2と直線y=∣x∣の間をx軸まわりに回転する。外半径と内半径の2乗の差を積分して体積を求める。
解答
(1)
円の中心は(0,1)である。直線y=bx、すなわち bx−y=0 までの距離は b2+1∣b⋅0−1∣=1+b21 である。円はこの直線に接するので、この距離が半径である。したがって円Cの方程式は x2+(y−1)2=1+b21 である。
(2)
直線y=bxへの接点は、中心(0,1)からこの直線へ下ろした垂線の足である。垂線の傾きは−b1なので、垂線は y−1=−b1x である。これとy=bxを連立すると bx−1=−b1x より (b2+1)x=b である。したがって接点のx座標は x=1+b2b である。 b>0について 1+b2b≦21 であることは 2b≦1+b2 すなわち (b−1)2≧0 から分かる。等号は b=1 のときである。よって接点のx座標が最大となるのはb=1である。
(3) b=1のとき、円は x2+(y−1)2=21 である。原点側の円弧は下側の弧なので y=1−21−x2 である。直線はy=xとy=−xで、原点側では下側の境界が y=∣x∣ である。交点はx=±21なので、求める体積はV=π∫−1/21/2⎩⎨⎧(1−21−x2)2−x2⎭⎬⎫dxである。
被積分関数を整理すると(1−21−x2)2−x2=23−2x2−221−x2である。よって∫−1/21/2(23−2x2)dx=23−2⋅121=34である。また ∫−1/21/221−x2dx=41+8π である。これは半径21の円で、中心角が90∘の扇形から二等辺直角三角形を調整して得られる面積である。
したがって∫−1/21/2⎩⎨⎧(1−21−x2)2−x2⎭⎬⎫dx=34−2(41+8π)=65−4πである。ゆえに V=π(65−4π)=12π(10−3π) である。
別解
解法2
方針
(1) (2)は接点を T=(p,bp) と置き、半径 CT と接線の垂直条件から直接求める。(3)は回転体の積分に現れる平方根を x=(1/2)sinθ と置換して評価し、扇形の面積公式に頼らず体積を確定する。
解答
(1)
接点を T=(p,bp) とする。半径 CT は直線 y=bx に垂直だから、その方向ベクトル (1,b) との内積が 0 である。よって(p,bp−1)⋅(1,b)=0,すなわちp(1+b2)=b.したがってp=1+b2b.半径の2乗はCT2=p2+(bp−1)2=1+b21.よって円 C はx2+(y−1)2=1+b21.(2)
接点の x 座標はp=1+b2b.1+b2−2b=(b−1)2≧0より1+b2b≦21,等号は b=1 のときである。
(3)
b=1 のとき、円弧と2直線に囲まれる部分を x 軸の周りに回す。外半径は1−21−x2,内半径は ∣x∣、区間は −1/2≦x≦1/2 である。したがってV=π∫−1/21/2⎩⎨⎧(1−21−x2)2−x2⎭⎬⎫dx.平方根の積分を独立に計算する。x=21sinθと置けば、端点は θ=±π/4 であり、∫−1/21/221−x2dx=21∫−π/4π/4cos2θdθ=41+8π.よってπV=34−2(41+8π)=65−4π.したがってV=12π(10−3π).
総評
点と直線の距離、接点座標の最大化、回転体の体積が連続する総合問題。想定時間は24分。回転体では円弧が外半径、∣x∣ が内半径になることを図で確かめる。平方根の積分は扇形の面積でも三角置換でも評価でき、両方が 1/4+π/8 と一致する。
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出典: 名古屋大学 1997年度 後期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。