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名古屋大学 2001年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

abcを実数の定数とし,関数f0(x)=1,f1(x)=x+af0(x),f2(x)=x2+bf1(x)+cf0(x)を考える.相異なるjkに対して11fj(x)fk(x)dx=0が成り立つとき,つぎの各問に答えよ.

(1) 定数abcを求めよ.

(2) j=0,1,2のそれぞれに対して11{fj(x)}2dxの値を求めよ.

(3) j=0,1,2のそれぞれに対して11fj(x)cos(πx)dxの値を求めよ.

(4) つぎのIの値が最小となる実数k0k1k2の値を求めよ.
さらにIの最小値を求めよ.I=11{cos(πx)k0f0(x)k1f1(x)k2f2(x)}2dx

難易度7/ 10計算量8/ 10目安28

積分関数 定積分評価、部分積分、計算整理

方針

直交条件を順に使って a,b,c を決める。偶奇性により多くの積分は0になり、f0=1f1=xf2=x21/3 が得られる。(4)は二乗を展開し、f0,f1,f2 が互いに直交していることから、各 kj について独立な平方完成に分解する。最小にする係数は fjcos(πx)/fj2 であり、最小値は cos2(πx)dx から寄与分を引いて求める。

解答

(1) f0(x)=1,f1(x)=x+a である。直交条件 11f0(x)f1(x)dx=0 より 11(x+a)dx=2a=0 であるから a=0 である。したがって f1(x)=x である。

次に f2(x)=x2+bx+c である。条件 11f1(x)f2(x)dx=0 より 11x(x2+bx+c)dx=0 である。奇関数の積分は0なので、残るのは b11x2dx=2b3=0 であり、b=0 である。

さらに 11f0(x)f2(x)dx=0 より 11(x2+c)dx=23+2c=0 だから c=13 である。よって a=0,b=0,c=13 である。

(2)

(1) より f0(x)=1,f1(x)=x,f2(x)=x213 である。したがって 11f0(x)2dx=111dx=2, 11f1(x)2dx=11x2dx=23 である。また11f2(x)2dx=11(x213)2dx=11(x423x2+19)dx=252323+192=845.よって 2,23,845 である。

(3)

まず11cos(πx)dx=[sin(πx)π]11=0である。また xcos(πx) は奇関数なので 11xcos(πx)dx=0 である。

最後に11(x213)cos(πx)dx=11x2cos(πx)dxである。部分積分により11x2cos(πx)dx=201x2cos(πx)dx=2[x2sin(πx)π+2xcos(πx)π22sin(πx)π3]01=4π2.したがって 0,0,4π2 である。

(4) C(x)=cos(πx) と書く。f0,f1,f2 は互いに直交しているので、二乗を展開するとI=11C(x)2dx2j=02kj11C(x)fj(x)dx+j=02kj211fj(x)2dx.したがって各 kj は独立に決まり、最小にする値は kj=11C(x)fj(x)dx11fj(x)2dx である。

(2) (3)よりk0=0,k1=0,k2=4/π28/45=452π2である。

また 11cos2(πx)dx=111+cos(2πx)2dx=1 である。最小値は 1(4/π2)28/45=190π4 である。

よって k0=0,k1=0,k2=452π2 であり、Imin=190π4 である。

別解

解法2(直交射影とピタゴラス)

方針

積分を内積とみなし、f0,f1,f2
直交基底として扱う。
cos(πx) の各方向への射影係数を求め、
残差の長さをピタゴラスの定理で計算する。

解答

内積をu,v=11u(x)v(x)dxと書く。

(1) f0,f1=0 より a=0
ついで f1=xf2=x2+bx+c の直交性から b=0
f0f2 の直交性から c=1/3 である。よってf0=1,f1=x,f2=x213.(2)

直接積分してf02=2,f12=23,f22=845.(3)

偶奇性と部分積分からcos(πx),f0=0,cos(πx),f1=0,cos(πx),f2=201x2cos(πx)dx=4π2.(4)

直交射影の係数はkj=cos(πx),fjfj2.したがってk0=0,k1=0,k2=452π2.またcos(πx)2=1.射影と残差は直交するので、ピタゴラスの定理からImin=cos(πx)2j=02cos(πx),fj2fj2=1(4/π2)28/45=190π4.

総評

難度7、計算量8。直交条件、ノルム計算、三角関数との積分、最小二乗の4段階があり、計算量が重い。採点上は、偶奇性で消える積分を使って a,b,c を効率よく決めること、f22 の積分 8/45f2cos(πx)dx=4/π2 を正確に出すことが重要である。(4)は直交性により平方完成が各係数で独立になる、という構造を説明すると答案が締まる。目安は28分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 名古屋大学 2001年度 後期 数学 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。