方針
長方形の辺の向きが直線 の傾きで決まっているので,まず 方向とそれに垂直な 方向の半分のベクトルを作る。中心が原点であることから,各頂点はその2本の半ベクトルの和・差で一度に表せる。後半は円が凸集合であることを用い,長方形全体が円に含まれる条件を「4頂点が円に含まれる条件」に帰着する。そのうえで,円の中心 から最も遠い頂点を比較して決めればよい。
解答
(1) 直線 の傾きは であるから, 方向の単位ベクトルとして をとることができる。 なので,中心から辺 の端点へ向かう半分のベクトルは である。
また,これに垂直な方向のうち,長さ の半分に対応するベクトルとして をとる。これは であり,長さも である。
中心が原点 であるから,4頂点は2つの半ベクトルの和・差で表される。条件 (c) より の 座標が最大になるように符号を選ぶと,実際, より であるから, の 座標が最も大きい。
(2) 円 の中心を とする。円板は凸集合であり,長方形は4頂点の凸包である。したがって,長方形全体が円板に含まれることは,4頂点すべてが円板に含まれることと同値である。
各頂点から までの距離の2乗を比べる。計算するとここで なので,4頂点のうち円の中心 から最も遠いのは である。
よって必要十分条件は である。すなわち であり,両辺を で割って平方完成すると を得る。
したがって求める条件は である。
平面上の条件領域
青い領域。円弧は含み、 と は含まない。
総評
辺の傾きから半ベクトルを作ると,中心が原点である条件を無駄なく使える。後半の要点は,円板が凸であるため長方形全体の包含判定が頂点判定に落ちること,さらに中心 から最も遠い頂点が であることを不等式で確認することである。最後に を条件に残すのを忘れない。
領域図では円弧上の点は含むが、もとの条件が なので座標軸上は含まない。頂点 だけを調べて終えるのではなく、円板の凸性と4頂点の距離比較を明示して必要十分性を確保することが大切である。