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名古屋大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

xy平面上の長方形ABCDが次の条件(a),(b),(c)をみたしているとする.

(a) 対角線ACBDの交点は原点Oに一致する.

(b) 直線ABの傾きは2である.

(c) Ay座標は,BCDy座標より大きい.

このとき,a>0b>0として,辺ABの長さを25aBCの長さを25bとおく.

(1) ABCDの座標をabで表せ.

(2) 長方形ABCDが領域x2+(y5)2100に含まれるためのabに対する条件を求め,
ab平面上に図示せよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

図形と方程式ベクトル 座標設定ベクトル成分計算、範囲評価

方針

長方形の辺の向きが直線 AB の傾きで決まっているので,まず AB 方向とそれに垂直な BC 方向の半分のベクトルを作る。中心が原点であることから,各頂点はその2本の半ベクトルの和・差で一度に表せる。後半は円が凸集合であることを用い,長方形全体が円に含まれる条件を「4頂点が円に含まれる条件」に帰着する。そのうえで,円の中心 (0,5) から最も遠い頂点を比較して決めればよい。

解答

(1) 直線 AB の傾きは 2 であるから,AB 方向の単位ベクトルとして 15(1,2) をとることができる。AB=25a なので,中心から辺 AB の端点へ向かう半分のベクトルは 5a15(1,2)=(a,2a) である。

また,これに垂直な方向のうち,長さ 25b の半分に対応するベクトルとして (2b,b) をとる。これは (1,2)(2,1)=0 であり,長さも 5b である。

中心が原点 O であるから,4頂点は2つの半ベクトルの和・差で表される。条件 (c) より Ay 座標が最大になるように符号を選ぶと,A=(a,2a)+(2b,b)=(a2b,2a+b),B=(a,2a)+(2b,b)=(a2b,2a+b),C=(a,2a)(2b,b)=(a+2b,2ab),D=(a,2a)(2b,b)=(a+2b,2ab).実際,a,b>0 より 2a+b>2ab,2a+b>2a+b,2a+b>2ab であるから,Ay 座標が最も大きい。

(2)x2+(y5)2100 の中心を S=(0,5) とする。円板は凸集合であり,長方形は4頂点の凸包である。したがって,長方形全体が円板に含まれることは,4頂点すべてが円板に含まれることと同値である。

各頂点から S までの距離の2乗を比べる。計算するとSA2=(a2b)2+(2a+b5)2=5(a24a+b22b+5),SB2=(a2b)2+(2a+b5)2=5(a2+4a+b22b+5),SC2=(a+2b)2+(2ab5)2=5(a2+4a+b2+2b+5),SD2=(a+2b)2+(2ab5)2=5(a24a+b2+2b+5).ここで SC2SA2=20(2a+b)>0,SC2SB2=20b>0,SC2SD2=40a>0 なので,4頂点のうち円の中心 S から最も遠いのは C である。

よって必要十分条件は SC2100 である。すなわち 5(a2+4a+b2+2b+5)100 であり,両辺を 5 で割って平方完成すると a2+4a+b2+2b+520 (a+2)2+(b+1)220 を得る。

したがって求める条件は a>0,b>0,(a+2)2+(b+1)220 である。

ab 平面上の条件領域

青い領域。円弧は含み、a=0b=0 は含まない。

総評

辺の傾きから半ベクトルを作ると,中心が原点である条件を無駄なく使える。後半の要点は,円板が凸であるため長方形全体の包含判定が頂点判定に落ちること,さらに中心 (0,5) から最も遠い頂点が C であることを不等式で確認することである。最後に a>0,b>0 を条件に残すのを忘れない。

領域図では円弧上の点は含むが、もとの条件が a>0,b>0 なので座標軸上は含まない。頂点 C だけを調べて終えるのではなく、円板の凸性と4頂点の距離比較を明示して必要十分性を確保することが大切である。

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出典: 名古屋大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。