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名古屋大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

xy平面上でx座標とy座標がともに整数である点を格子点と呼ぶ.

(1) y=13x2+12xのグラフ上に無限個の格子点が存在することを示せ.

(2) abは実数でa0とする.
y=ax2+bxのグラフ上に,点(0,0)以外に格子点が2つ存在すれば,無限個存在することを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

整数図形と方程式 存在証明、文字消去、一般化

方針

(1) は整数点を無限に作ればよいので,分母 3,2 を同時に消すように x を選ぶ。(2) は,原点以外の2つの格子点を (m,n),(r,s) とおき,2本の式から a,b が有理数であることを示す。その後,a,b の共通分母の倍数を x に選べば,対応する y が必ず整数になり,無限個の格子点が得られる。

解答

(1) 曲線 y=13x2+12x を考える。分母 32 を同時に消すため,x6 の倍数にとる。 x=6k とおくと,y=13(6k)2+12(6k)=12k2+3k である。k が整数なら 12k2+3k も整数である。したがって (6k,12k2+3k) はすべて格子点である。

整数 k は無限に存在し,それに対応する x=6k も互いに異なる。よって,この曲線上には無限に多くの格子点が存在する。

(2) 曲線 y=ax2+bx が,原点以外に2つの格子点を通るとする。それらを (m,n),(r,s) とおく。ただし格子点なので m,n,r,s は整数であり,原点以外の点であるから m0,r0 である。また関数のグラフ上の異なる2点なので,mr としてよい。

この2点が曲線上にあることから n=am2+bm,s=ar2+br である。両式をそれぞれ m,r で割ると nm=am+b,sr=ar+b となる。両式を引くと nmsr=a(mr) である。mr より a=nmsrmr となるから,a は有理数である。さらに b=nmam なので,b も有理数である。

したがって,ある正の整数 N と整数 A,B を用いて a=AN,b=BN と表せる。ここで x=Nk とおくと,y=a(Nk)2+b(Nk)=ANN2k2+BNNk=ANk2+Bk である。k が整数なら ANk2+Bk は整数である。

よって (Nk,ANk2+Bk) はすべて格子点であり,整数 k を動かせば互いに異なる点が無限に得られる。したがって,曲線 y=ax2+bx 上には無限に多くの格子点が存在する。

総評

格子点の存在を示す問題では,分母を消すように x を選ぶのが基本である。(2) の本質は,原点を通る2次式 ax2+bx が原点以外の2つの格子点を通れば,係数 a,b が有理数に限られるという点にある。有理係数になれば,共通分母の倍数を x に選ぶだけで y も整数になり,無限個の格子点が構成できる。

2つの格子点が原点以外で互いに異なるため、m,r0 かつ mr であり、割り算の分母は0にならない。有理係数を示すだけで終えず、共通分母の倍数 x=Nk を実際に代入して無限個を構成するところまで書く。

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出典: 名古屋大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。