方針
(1) は二項定理で x2 を選ぶ項を直接見る。(x−1)101 では x2 に掛かる定数部分が (−1)99 になるため符号に注意する。(2)は p−1≡−1(modp) と m が奇数であることから一行で示せる。(3)は r に関する帰納法を用いる。r 段階の主張を X+1 の割り切りと見て、次段階では X3+1=(X+1)(X2−X+1) と因数分解し、後ろの因数がさらに3で割り切れることを X≡−1(mod3) から示す。
解答
(1)
二項定理より (x−1)101=k=0∑101101Ckxk(−1)101−k である。x2 の項は k=2 の項であるから、その係数は 101C2(−1)99=−2101⋅100=−5050 である。よって求める係数は −5050 である。
(2) p−1 を p で割った余りは −1 である。したがって (p−1)m+1≡(−1)m+1(modp) である。m は奇数なので (−1)m=−1 であり、(−1)m+1=0 である。よって (p−1)m+1 は p で割り切れる。
(3) r に関する数学的帰納法で示す。
まず r=1 のとき、s=m である。m は正の奇数なので、(2)で p=3 とすれば 2m+1=(3−1)m+1 は3で割り切れる。よって r=1 で成り立つ。
次に、ある正の整数 r について 23r−1m+1 が 3r で割り切れると仮定する。 X=23r−1m とおくと、帰納法の仮定は X+1≡0(mod3r) である。また特に X≡−1(mod3) である。
示すべき次の段階は 23rm+1=X3+1 が 3r+1 で割り切れることである。因数分解すると X3+1=(X+1)(X2−X+1) である。第1因数 X+1 は仮定により 3r で割り切れる。第2因数については X≡−1(mod3) より X2−X+1≡(−1)2−(−1)+1=3≡0(mod3) である。したがって積 X3+1 は 3r⋅3=3r+1 で割り切れる。
以上より数学的帰納法により、すべての正の整数 r について 23r−1m+1 は 3r で割り切れる が成り立つ。
総評
難度5、目安時間14分。二項定理・合同式・帰納法を順に使う標準的な整数問題である。(1)は (−1)99 の符号、(2)は m が奇数であること、(3)は X3+1 の因数分解が中心になる。帰納法では X+1 が 3r で割り切れることと、X2−X+1 がさらに3で割り切れることを分けて書くと、3の冪が1段上がる理由が明確になる。
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出典: 名古屋大学 2012年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。