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名古屋大学 2011年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

abab>0を満たす整数とし,
xyの2次方程式x2+ax+b=0y2+by+a=0がそれぞれ整数解をもつとする.

(1) a=bとするとき,条件を満たす整数aをすべて求めよ.

(2) a>bとするとき,条件を満たす整数の組(a,b)をすべて求めよ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安18

整数方程式・不等式 解と係数の関係、展開・因数分解、場合分け

方針

係数 a,b が正なので、各2次方程式が整数解をもつなら、その解はともに負の整数である。そこで x2+ax+b=0 の解を m,ny2+by+a=0 の解を r,s とおき、解と係数の関係を使う。(1) は a=b から m+n=mn、すなわち (m1)(n1)=1 に帰着する。(2) は a>b より m+n>mn となるため、(m1)(n1)<1 から m,n の一方が1と分かる。残りを第2の方程式に代入して (r1)(s1)=2 に落とす。

解答

(1)
まず、x2+ax+b=0 が整数解をもつとする。a>0,b>0 なので、2つの整数解の和は a<0、積は b>0 である。したがって2つの整数解はいずれも負である。

そこで2つの整数解を m,n とおく。ただし m,n は正の整数である。解と係数の関係より m+n=a,mn=b である。 a=b のとき m+n=mn である。これを変形すると mnmn=0 すなわち (m1)(n1)=1 である。m,n は正の整数なので m1=n1=1 であり、m=n=2 である。したがって a=m+n=4 である。

実際、a=b=4 のとき x2+4x+4=(x+2)2 であり、もう一方の方程式も同じなので整数解をもつ。よって a=4 である。

(2) a>b とする。上と同じく、x2+ax+b=0 の解を m,n とおけば a=m+n,b=mn である。a>b より m+n>mn であるから mnmn<0 である。すなわち (m1)(n1)<1 である。m,n は正の整数なので (m1)(n1) は0以上の整数である。したがって (m1)(n1)=0 であり、m,n の少なくとも一方は1である。対称性より n=1 としてよい。すると a=m+1,b=m である。

次に、y2+by+a=0 の整数解を r,s とおく。ただし r,s は正の整数である。解と係数の関係より r+s=b=m,rs=a=m+1 である。したがって (r1)(s1)=rsrs+1=(m+1)m+1=2 である。r,s は正の整数だから、{r1,s1}={1,2} である。よって {r,s}={2,3} となり、m=r+s=5 である。したがって a=m+1=6,b=m=5 である。

実際、(a,b)=(6,5) のとき x2+6x+5=(x+1)(x+5) であり、y2+5y+6=(y+2)(y+3) なので条件を満たす。よって (a,b)=(6,5) である。

総評

整数解を負の整数として置き、解と係数の関係から因数分解へ落とす問題である。目安時間は18分。最初に、係数が正であるため整数解がともに負になることを明示するのが大切である。(1) は (m1)(n1)=1、(2) は a>b から (m1)(n1)=0 と分かるところが山場である。最後に第2の方程式へ移り、(r1)(s1)=2 を解くと候補が一意に決まる。求めた (6,5) は必ず元の2方程式で検算しておくと、必要条件だけで終わっていないことが示せる。

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出典: 名古屋大学 2011年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。