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名古屋大学 2013年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

3人でジャンケンをする。
各人はグー,チョキ,パーをそれぞれ13の確率で出すものとする。
負けた人は脱落し,残った人で次回のジャンケンを行い(アイコのときは誰も脱落しない),
勝ち残りが1人になるまでジャンケンを続ける。
このとき各回の試行は独立とする。
3人でジャンケンを始め,ジャンケンがn回目まで続いてn回目終了時に
2人が残っている確率をpn,3人が残っている確率をqnとおく。

(1) p1q1を求めよ。

(2) pnqnがみたす漸化式を導き,pnqnの一般項を求めよ。

(3) ちょうどn回目で1人の勝ち残りが決まる確率を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率数列 状態分類確率漸化式、場合分け

方針

残っている人数を「3人」「2人」「終了」の3状態に分ける。まず3人で1回行う27通りを数え、3人のまま、2人になる、1人に決まる確率がいずれも 13 であることを確認する。そこから pn,qn の漸化式を立て、3npn に直して一般項を求める。最後は n1 回目の各状態から、次の1回で終了する確率を足し合わせる。

解答

(1)
3人がそれぞれ独立に3種類の手を出すので、1回の出方は全部で33=27通りである。

3人のままであるのは、全員が同じ手を出す3通りと、3人がグー・チョキ・パーを1つずつ出す6通りである。よって、その確率は3+627=13である。

2人が残るには、2人が同じ勝つ手を出し、残る1人がそれに負ける手を出せばよい。勝つ手の選び方が3通り、負ける人の選び方が3通りあるから、その確率は3327=13である。したがってp1=13,q1=13.(2)
3人の状態から次も3人である確率、3人から2人になる確率は、ともに 13 である。また、2人の状態でアイコとなり、次も2人である確率は 13 である。よってpn+1=13pn+13qn,qn+1=13qn.(1)q1=13 だからqn=13n.次にrn=3npnとおく。(1)の第1式を用いると3n+1pn+1=3npn+3nqnであり、3nqn=1 なのでrn+1=rn+1.初期値は r1=3p1=1 であるから rn=n となる。したがってpn=n3n,qn=13n.(3)
n2 とする。n1 回目終了時に2人が残っていれば、次の1回で勝敗がつく確率は 23 である。3人が残っていれば、次の1回で1人だけが勝つ確率は 13 である。ゆえに、ちょうど n 回目で1人に決まる確率は23pn1+13qn1=23n13n1+1313n1=2n13n.n=1 のときも、3人から1人に決まる確率は 13 であり、この式の値と一致する。よって求める確率は2n13nである。

状態遷移を図にすると、漸化式では「どの状態から入ってくるか」を足し合わせればよいことが見える。

別解

解法2(状態が変わる回を直接数える)

方針

漸化式を解かず、n 回の間に状態が変わる時刻を直接数える。3人のまま n 回続く確率から qn を求める。2人が残るには、3人から2人への移行がちょうど1回だけ起こるので、その回を j 回目として j=1,,n を足す。終了時刻の確率は、n1 回終了時点で未終了である確率と、n 回終了時点で未終了である確率との差で求める。

解答

(1)
3人で1回行ったとき、3人のまま、2人になる、1人に決まる出方は、それぞれ9通りずつである。したがってp1=q1=927=13.(2)
n 回終了時にも3人が残るには、毎回3人のままでなければならない。各回の確率は 13 だからqn=(13)n=13n.次に、n 回終了時に2人が残るとする。3人から2人になるのが j 回目であれば、最初の j1 回は3人のまま(1/3)j1,j 回目に2人になる1/3,残り nj 回は2人のまま(1/3)njである。その確率は、j によらず(13)j113(13)nj=13nとなる。j=1,2,,nn 通りは互いに重ならないのでpn=n3n.この数え上げからpn+1=13pn+13qn,qn+1=13qnも確認できる。

(3)
n 回終了時点でまだ勝者が決まっていない確率を sn とするとsn=pn+qn=n+13n.また s0=1 とする。したがって、ちょうど n 回目で終了する確率はsn1sn=n3n1n+13n=2n13n.これは n=1 の場合も含む。

総評

難度5、目安時間15分。3人ジャンケンの27通りを、3人のまま・2人になる・1人に決まる、の9通りずつに正しく分けることが出発点である。漸化式では pn+1 に3人状態からの流入 13qn を加えること、3npn に直した後の増加分が1になることが採点上の要点である。直接数える解法では、3人から2人へ移る回が一度だけであることを使う。最後は n=1 を別に確認するか、未終了確率の差を用いて同じ式に含まれることを示すと答案が閉じる。

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出典: 名古屋大学 2013年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。