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名古屋大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

数直線上にある1,2,3,4,5の5つの点と1つの石を考える。石がいずれかの点にあるとき,

石が点1にあるならば,確率1で点2に移動する

石が点k (k=2,3,4)にあるならば,
確率12で点k1に,確率12で点k+1に移動する

石が点5にあるならば,確率1で点4に移動する

という試行を行う。
石が点1にある状態から始め,この試行を繰り返す。
試行をn回繰り返した後に,石が点k (k=1,2,3,4,5)にある確率をPn(k)とするとき,
次の問に答えよ。

(1) n=6のときの確率P6(k) (k=1,2,3,4,5)をそれぞれ求めよ。

(2) 石が移動した先の点に印をつける(点1には初めから印がついているものとする)。
試行を6回繰り返した後に,5つの点全てに印がついている確率を求めよ。

(3) n1のとき,Pn(3)を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安16

確率数列 状態分類、場合分け、確率漸化式対称性の利用

方針

(1) は確率分布を1回ずつ更新する。偶数回後は奇数の点、奇数回後は偶数の点にしかいないため、表はかなり短くなる。(2)は6回の経路をすべて列挙するより、「6回以内に点5へ到達する経路」として考えると漏れにくい。(3)は偶奇でまず Pn(3)=0 となる場合を分け、偶数回後については2回ごとの遷移で、点 1,3,5 のどこから出ても2回後に点3へいる確率が 1/2 であることを使う。

解答

(1)

初めは点1にあるので (P0(1),P0(2),P0(3),P0(4),P0(5))=(1,0,0,0,0) である。1回ずつ確率を更新する。

1回後は必ず点2に移るので (P1(1),P1(2),P1(3),P1(4),P1(5))=(0,1,0,0,0) である。以後、遷移規則を用いると(P2(1),P2(2),P2(3),P2(4),P2(5))=(12,0,12,0,0),(P3(1),P3(2),P3(3),P3(4),P3(5))=(0,34,0,14,0),(P4(1),P4(2),P4(3),P4(4),P4(5))=(38,0,12,0,18),(P5(1),P5(2),P5(3),P5(4),P5(5))=(0,58,0,38,0)である。したがって(P6(1),P6(2),P6(3),P6(4),P6(5))=(516,0,12,0,316)である。すなわちP6(1)=516,P6(2)=0,P6(3)=12,P6(4)=0,P6(5)=316である。

(2)

点1には初めから印がついており、すべての点に印がつくためには、6回以内に点5へ到達すればよい。点5へ初めて到達する最短経路は 1,2,3,4,5 であり、これは4回の移動である。6回後までを見るので、点5に初めて到達する時刻は4回目または6回目である。

6回目に初めて点5へ到達する経路は 1,2,1,2,3,4,5, 1,2,3,2,3,4,5, 1,2,3,4,3,4,5 の3つである。それぞれの確率は 1121121212=116, 11212121212=132,11212121212=132である。

4回目に点5へ到達する場合は 1,2,3,4,5 の後、5回目は必ず点4へ戻り、6回目は点3または点5へ移る。したがって経路は 1,2,3,4,5,4,3,1,2,3,4,5,4,5 であり、それぞれの確率は 1121212112=116 である。

よって求める確率は 116+132+132+116+116=14 である。したがって 14 である。

(3)

点1から出発し、1回の移動で点の番号の偶奇が必ず変わる。したがって、奇数回後には偶数の点にいるので Pn(3)=0(n が奇数) である。

次に n が正の偶数のときを考える。偶数回後に石がいる可能性があるのは点 1,3,5 である。これらの点から2回移動したとき、点3にいる確率を調べると、点1からは 123 となる確率が 1/2、点3からは 323,343 となる確率の和が 1/4+1/4=1/2、点5からは 543 となる確率が 1/2 である。つまり、偶数回後にどの奇数点にいても、その2回後に点3にいる確率は 1/2 である。

実際 P2(3)=1/2 であり、上の性質を繰り返せば、すべての正の偶数 n について Pn(3)=12 である。したがってPn(3)={0(n が奇数),12(n が偶数)である。

総評

難度5、計算量5。目安時間は16分。(1)(2)は6回だけなので地道に追えるが、偶奇と到達時刻を使って整理しないと経路漏れが起きやすい。(2)では「全点に印」が「点5へ到達」と同値であることを利用するのが早い。(3)は2回ごとの遷移で点3に戻る確率が常に 1/2 になるという対称性が核心で、表の計算結果を一般化する問題である。

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出典: 名古屋大学 2015年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。